第103回 看護師国家試験 午後 問57 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

大腿骨転子部骨折のため人工骨頭置換術を行った。 術後の腓骨神経麻痺予防のための看護で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 腓骨神経麻痺を防ぐには、母趾と第2趾の間の知覚異常を早くから観察する。

腓骨神経は膝の外側にある腓骨頭のすぐ下を回るので、骨と外からの圧に挟まれて傷みやすい。麻痺すると足首が上がらない下垂足になり、母趾と第2趾の間の背側がしびれる。 この部分の知覚は麻痺の最も早い変化として現れるため、そこを繰り返し確かめることが早期発見につながる。

他の選択肢は、目的が別のところにある。大腿四頭筋訓練は筋力と関節の動きを保つために行うもので、神経の圧迫は防げない。 患側を外旋位にすると腓骨頭が下になって圧迫され、麻痺を招く。回旋中間位で保つ。 弾性ストッキングは深部静脈血栓症を防ぐもので、しわや食い込みがあるとかえって腓骨頭を圧迫する。

下垂足とは

足首を持ち上げられず、つま先が垂れ下がったままになる状態。歩くときにつま先が床に引っかかる。

  • 1

    大腿四頭筋訓練を実施する。不正解

    大腿四頭筋訓練は筋力低下と関節の拘縮を防ぐために行うもので、腓骨神経の圧迫とは関係がない。

  • 2

    患側下肢を外旋位に固定する。不正解

    逆。外旋位では腓骨頭が下になって圧迫される。回旋中間位で保つ。

  • 3

    患側下肢に弾性ストッキングを着用する。不正解

    弾性ストッキングは深部静脈血栓症の予防に用いる。しわや食い込みがあると腓骨頭を圧迫し、かえって麻痺の原因になる。

  • 4

    患側下肢の母趾と第2趾間の知覚異常の有無を観察する。正解

    母趾と第2趾の間の知覚は腓骨神経麻痺で最も早く変化する。ここのしびれを繰り返し確かめる。

📚 ここも一緒におさえておこう

腓骨神経麻痺は、圧迫される場面・最初に出る徴候・防ぎ方の3つで問われる。腓骨頭を押さえるものを思い浮かべて覚えよう。

  • 圧迫の原因になるのはギプス・シーネ、弾性ストッキングのしわ、長時間の側臥位、下肢の外旋位。
  • 徴候は足首が上がらないこと、母趾と第2趾の間のしびれ、つま先を引きずる鶏歩。
  • 予防は腓骨頭に物を当てないこと。下肢の外側に枕を置いて回旋中間位を保ち、装具やストッキングのしわを直す。

参考: 成人看護学(運動器)の教科書

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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