第114回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
肝臓の機能はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 肝臓は糖をグリコーゲンとして貯蔵し、必要なときにブドウ糖を供給する。
肝臓は体で最大の代謝の工場で、その中心のひとつが糖の貯蔵である。食後に吸収されたブドウ糖は肝細胞に取り込まれ、グリコーゲンとして蓄えられる。
空腹になるとこれを分解してブドウ糖を血液に出し、蓄えが尽きるとアミノ酸や乳酸から糖新生でブドウ糖をつくり、血糖を保つ。肝機能が大きく低下すると低血糖を起こすのはこのためである。
- 1
糖の貯蔵正解
肝臓は吸収したブドウ糖をグリコーゲンとして蓄え、空腹時にはその分解と糖新生でブドウ糖を供給して血糖を保つ。肝臓の代表的な機能である。
- 2
胆汁の貯蔵不正解
胆汁をつくるのは肝臓だが、蓄えて濃くするのは胆嚢である。胆嚢は食事に伴って収縮し、濃くした胆汁を十二指腸へ送り出す。「産生」と「貯蔵」を取り違えさせる選択肢である。
- 3
体液量の調節不正解
体液量を調節するのは腎臓である。抗利尿ホルモンやアルドステロンの働きのもとで尿量とナトリウムの排泄を変え、循環血液量を保つ。
- 4
体液のpH調節不正解
体液のpH(酸塩基平衡)は、肺が二酸化炭素の排出量を変え、腎臓が重炭酸イオンと水素イオンの出し入れを変えることで調節される。肝臓の役割ではない。
- 5
ホルモンの分泌不正解
ホルモンを分泌するのは下垂体・甲状腺・副腎・膵臓などの内分泌腺である。肝臓はむしろ、ホルモンを分解して働きを終わらせる場である。
📚 一緒に確認しよう
肝臓の機能は「障害されるとどうなるか」とセットで覚えると、症状の理由まで分かる。
| 区分 | 内容 | 障害されると |
|---|---|---|
| 糖代謝 | グリコーゲンの合成・分解、糖新生 | 低血糖 |
| 蛋白代謝 | アルブミン・血液凝固因子の合成 | 浮腫・腹水、出血傾向(PT延長) |
| 脂質代謝 | コレステロール合成、リポ蛋白の産生 | 脂質異常 |
| 解毒 | アンモニアを尿素へ(尿素回路)、薬物・アルコールの代謝 | 高アンモニア血症・肝性脳症 |
| 胆汁の生成 | 胆汁酸・ビリルビンの処理と排泄 | 黄疸・脂肪の消化吸収障害 |
| 貯蔵 | グリコーゲン、鉄、ビタミンA・D・B12 | 貧血・ビタミン欠乏 |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について