第114回 看護師国家試験 午後 問55 解説

一般健康支援と社会保障制度✔ 監修済み

📝 問題

日本の令和3年(2021年)の人口動態統計に基づく、65歳以上85歳未満における不慮の事故による死亡状況をグラフに示す。 Dはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 65〜84歳のどの年齢階級でも最も多いDは「溺死及び溺水」。

グラフのDは65〜69歳から80〜84歳まで、どの年齢階級でも最も多い。日本の高齢者では入浴中の溺死が不慮の事故死の大きな部分を占めるため、Dは「溺死及び溺水」にあたる。

寒い脱衣所や浴室から熱い湯に入ることで血圧が大きく変わるヒートショック、長湯によるもうろう状態、加齢による循環の調節力の低下が重なり、浴槽のなかで意識を失って溺れてしまう。

残りは形で見分ける。 ・A=どの階級でも最も少なく、増え方もゆるやか → 交通事故 ・B=65〜79歳ではCより上 → 窒息 ・C=80〜84歳で約1,500人へ急増しBを追い越す → 転倒、転落、墜落

65歳以上85歳未満の不慮の事故による死亡(グラフの目盛りから読み取ったおおよその値)
1705853065〜69歳70〜74歳75〜79歳80〜84歳年齢階級死亡数(人)
ABCD
65歳以上85歳未満の不慮の事故による死亡(グラフの目盛りから読み取ったおおよその値)のデータ(縦軸: 死亡数(人))
年齢階級ABCD
65〜69歳250320285430
70〜74歳420710525865
75〜79歳4359258651235
80〜84歳500127514851550
  • 1

    窒息不正解

    窒息はグラフのB。高齢者の窒息の多くは餅や肉などによる気道の詰まりで、年齢とともに増えるが、この年齢帯では溺死及び溺水に届かない。

  • 2

    交通事故不正解

    交通事故はグラフのA。近年は高齢者の交通事故死そのものが減っており、4項目のなかで最も少ない。

  • 3

    溺死及び溺水正解

    溺死及び溺水がDである。大半は浴槽のなかでの事故で、冬に集中し、高齢になるほど急に増える。

  • 4

    転倒、転落、墜落不正解

    転倒、転落、墜落はグラフのC。85歳以上まで含めるとこれが最も多くなるため、「65歳以上85歳未満」という条件に注意する。

📚 国試でよく狙われるところ

不慮の事故は年齢によって内訳の順位が入れ替わる。年齢と起こる場所をセットで覚える。

  • 高齢者の溺死の大半は浴槽のなかで起こり、冬(12〜2月)に集中する
  • 予防=脱衣所と浴室を暖める、湯温は41℃以下、入浴は10分程度まで、前後に水分をとる、飲酒直後や食後すぐは避ける、家族に一声かけてから入る
  • 窒息は餅・肉・パンによるものが多く、正月に集中する。ひと口を小さく、よく噛み、汁物で口を湿らせる
  • 0〜4歳では窒息、1〜19歳では交通事故と溺死が上位になる

参考: 厚生労働省 令和3年(2021年)人口動態統計/消費者庁 高齢者の入浴中の事故に関する注意喚起

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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