第114回 看護師国家試験 午後 問54 解説
📝 問題
高齢者の看護におけるストレングスモデルの説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ストレングスモデルは、その人の強み(能力・関心・資源)を活かして課題の解決を図る支援の考え方。
ストレングスモデルは、その人の欠点や問題ではなく、できること・得意なこと・関心・願い、そして周りの人や資源という強みに目を向け、それを活かして望む暮らしを実現しようとする考え方である。 「健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること」がその説明にあたる。
高齢者は「できなくなったこと」に目が向きがちだが、長く生きてきた分の技能・習慣・人づきあい・役割は残っている。看護師がそれを見つけて計画に組み込むと、自尊心が保たれ、療養にも自分から取り組めるようになる。
- 1
自分で健康行動を判断して決められるよう支援すること不正解
自分で判断して決められるよう支えるのは、意思決定支援の説明である。強みに着目するという視点が入っていない。
- 2
高齢者自身が健康的な生活を送るための活動を支援すること不正解
健康的な生活を送るための活動を支援するのは、ヘルスプロモーションの考え方である。強みを資源として使う枠組みではない。
- 3
健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること正解
その人の能力・関心・周りの資源を見つけ、課題の解決に活かせるよう支える。精神障害者の地域生活支援から生まれ、高齢者看護にも広く使われている。
- 4
特定の健康課題について効果的に遂行できるという自信を高めるよう支援すること不正解
「うまくやれるという自信」は自己効力感の定義である。自信を高める支援は行動を変えるのに有効だが、別の概念である。
📚 混同しやすいので注意
似た言葉が並べて出題される。それぞれを一行で言えるようにしておく。
| 概念 | 意味 |
|---|---|
| ストレングスモデル | 強み(能力・関心・願望・環境資源)に着目して目標達成を支援する |
| エンパワメント | 本人が力を取り戻し、自分の生活を自分で決められるようにする過程 |
| 自己効力感(セルフ・エフィカシー) | その行動をうまく遂行できるという自信。成功体験・代理体験・言語的説得・生理的情動状態で高まる |
| ヘルスプロモーション | 人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにするプロセス(オタワ憲章) |
| レジリエンス | 困難に直面しても回復し適応していく力 |
| サクセスフル・エイジング | 疾病・障害が少なく、高い心身機能と社会参加を保った加齢のあり方 |
参考: Rapp CA, Goscha RJ. The Strengths Model
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について