第114回 看護師国家試験 午前 問4 解説
📝 問題
高齢者の転倒予防のための環境づくりで適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 移動するときにつかまれるよう、廊下に手すりをつけるのが適切である。
転倒予防の環境づくりは、次の3つが原則。 ・つまずく物をなくす ・つかまる物を増やす ・暗さをなくす
高齢者は、すり足になる・とっさの反応が遅れる・暗い場所で目が慣れにくいといった変化が起こる。わずかな段差やコードでも転びやすい。
転倒で大腿骨の付け根を折ると寝たきりから廃用症候群に進みやすく、要介護になる大きな原因になる。
- 1
玄関にマットを敷く。不正解
マットの縁につまずいたり、マットごと滑ったりして転倒の原因になる。敷くなら裏に滑り止めがあり、端がめくれないものを選ぶ。
- 2
廊下に手すりをつける。正解
正しい。手すりは移動中の支えになり、ふらついたときに体勢を立て直せる。高さの目安は床から75〜85cm。
- 3
夜間は廊下の照明を消す。不正解
逆効果。転倒は夜間のトイレ移動で起きやすいので、足元を照らす常夜灯を残す。
- 4
椅子にキャスターをつける。不正解
キャスター付きの椅子は、立ち座りで体重をかけると動いて転ぶ。肘掛けがあり脚が固定された椅子を選ぶ。
📚 ここも一緒におさえておこう
転倒の危険因子は、本人側(内的要因)と環境側(外的要因)に分けて覚える。
- 過去1年間に転んだかは必ず聞く。転倒歴は最も強い予測因子。
- ベッド柵は乗り越えや隙間への挟み込みの危険があり、抑制になる使い方は避ける。
| 内的要因 | 外的要因 |
|---|---|
| 加齢による筋力低下・バランス障害 | 段差、敷居、コード類 |
| 視力低下・白内障、暗い所で目が慣れにくい | 照明が暗い、まぶしい |
| めまい、起立性低血圧 | 滑りやすい床、濡れた浴室 |
| 認知機能低下、せん妄 | 手すりがない、ベッドが高い |
| 睡眠薬・降圧薬・利尿薬の服用 | 身体に合わない履物・杖 |
| 転倒の既往(最大の予測因子) | 慣れない入院環境 |
参考: 日本老年医学会「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について