第112回 看護師国家試験 午前 問49 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

胃切除術後のダンピング症候群を予防するための食事指導で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ ダンピング症候群の予防では、1回の摂取量を少なくする食事指導が最も適切である。

胃切除術後は胃の貯留・調節機能が低下し、食物が急速に小腸へ流入することでダンピング症候群が生じる。 予防の基本は、1回の摂取量を少なくして食事回数を増やす(少量頻回食)ことである。

他の選択肢は症状を誘発しうる。食事を15分以内に急いで食べるのではなく、時間をかけてゆっくり摂取するのが望ましい。糖質(特に単純糖質)の多い食事は、後期ダンピング(食後2〜3時間の反応性低血糖)を含め症状を招きやすいため控える。1日の食事回数は少なくするのではなく、1回量を減らして回数を増やすのが原則である。

  • 1

    15分以内に食べる。不正解

    急いで食べると食物が急速に小腸へ流入し症状を招く。時間をかけてゆっくり摂取するのが望ましい。

  • 2

    糖質の多い食事を摂る。不正解

    糖質の多い食事は後期ダンピング(反応性低血糖)を含め症状を誘発しやすく、控えるべきである。

  • 3

    1回の摂取量を少なくする。正解

    1回の摂取量を少なくし食事回数を増やす少量頻回食が、ダンピング症候群の予防の基本である。

  • 4

    1日の食事回数を少なくする。不正解

    食事回数を少なくするのではなく、1回量を減らして回数を増やすのが原則である。

📚 国試でよく狙われるところ

胃切除後は、ダンピング症候群と栄養の吸収障害がまとめて問われる。

  • 胃切除後はビタミンB12・鉄・カルシウムの吸収低下により、術後数年で巨赤芽球性貧血(赤血球が大きくなる貧血)・鉄欠乏性貧血・骨粗鬆症をきたしやすい。ビタミンB12の吸収には胃から分泌される内因子が必要で、胃全摘後はこれが欠乏する
早期ダンピング症候群と後期ダンピング症候群
項目早期後期
発症時期食後30分以内食後2〜3時間
機序高浸透圧の食物が急速に小腸へ流入し、細胞外液が腸管内へ移動する。消化管ホルモンの分泌も関与急速な糖の吸収でインスリンが過剰に分泌され、反応性低血糖をきたす
症状腹痛・下痢・悪心・腹鳴、動悸・発汗・顔面紅潮・めまい・脱力冷汗・動悸・手指振戦・脱力・意識障害
対応少量頻回、ゆっくり摂取、高炭水化物を避け高蛋白・高脂肪へ、食事中の水分を控える、食後20〜30分の臥床糖分(飴・ジュース)を摂取する。予防に間食を取り入れる

参考: 消化器術後看護・胃切除後の食事指導に関する標準的看護学教科書

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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