第110回 看護師国家試験 午前 問50 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 高齢者の便秘の原因として経口摂取量の低下が適切。

高齢者では食欲低下や活動量の減少により経口摂取量(食事量・水分量・食物繊維量)が低下しやすい。摂取量の低下は便の量を減らし水分を乏しくするため、便が硬く排出されにくくなり、便秘が起こりやすくなる。 「経口摂取量の低下」が適切な原因である。

他の選択肢は、加齢で起こる変化の向きが逆であるか、便秘とは結びつかない。 加齢により腸管の蠕動運動は低下し、腸管での水分吸収はむしろ亢進する傾向で便が硬くなるため、「腸管での水分吸収の低下」は誤りである。 直腸内圧に対する感受性の閾値は加齢で上昇(=便意を感じにくくなる)するため、「閾値の低下」ではなく上昇が便秘の原因となる。 味覚の閾値の低下は便秘の直接の原因ではない。

高齢者の便秘は、摂取量減少・運動量低下・腸蠕動低下・直腸感受性低下(便意を感じにくい)などが複合して生じる。

閾値とは

反応が起こり始めるのに必要な、最小の刺激の強さ。閾値が高いほど刺激を感じにくくなる。

蠕動運動とは

腸が波打つように収縮して、中身を先へ送り出す動き。この動きが弱まると便が長くとどまる。

  • 1

    経口摂取量の低下正解

    摂取量低下は便量と水分を減らし、便を硬くして便秘を招く。

  • 2

    味覚の閾値の低下不正解

    味覚の閾値の低下は便秘の直接の原因ではない。

  • 3

    腸管での水分吸収の低下不正解

    加齢では腸管の水分吸収はむしろ亢進し便が硬くなるため、低下は誤りである。

  • 4

    直腸内圧感受性の閾値の低下不正解

    直腸内圧感受性の閾値は上昇(便意を感じにくくなる)が便秘の原因である。

📚 国試でよく狙われるところ

便秘は、分類・対応・原因になる薬・放置したときの合併症がひとまとまりで問われる。「どの型か」「何をするか」「何が引き金か」「放っておくとどうなるか」の4つに分けて覚えよう。

  • 機能性便秘は弛緩性・痙攣性・直腸性に分けられ、高齢者に多いのは弛緩性便秘。
  • 対応は水分と食物繊維の摂取、適度な運動、排便習慣づけ(朝食後にトイレへ)、「の」の字の腹部マッサージ。
  • 麻薬性鎮痛薬・抗コリン薬・利尿薬・鉄剤など薬剤による便秘にも注意する。
  • 長期の便秘は宿便性イレウスや溢流性便失禁につながることがある。

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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