第110回 看護師国家試験 午前 問49 解説
📝 問題
加齢に伴う血管壁の硬化による血圧への影響はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 血管硬化により収縮期血圧は上昇、拡張期血圧は低下する。
加齢に伴い動脈壁のコラーゲンが増加しエラスチンが減少すると、血管の弾力性が失われて硬くなる(動脈硬化)。弾力性が低下した血管は、心臓が収縮して血液を送り出すときの圧を吸収できず、収縮期血圧(最高血圧)が上昇する。
一方、拡張期には弾力によって血管が縮んで血圧を保つ働きが弱まるため、拡張期血圧(最低血圧)は低下する。その結果、収縮期血圧と拡張期血圧の差である脈圧が大きくなるのが高齢者の血圧の特徴である。
「加齢=血管が硬い=収縮期↑・拡張期↓・脈圧拡大」という組合せは国試頻出であり、収縮期高血圧が高齢者に多い理由として押さえておく。
脈圧とは
収縮期と拡張期の血圧の差のこと。健康な成人でおよそ40〜60 mmHgで、この差が大きいほど血管が硬くなっていると考えられる。
エラスチンとは
血管や皮膚に含まれ、ゴムのように伸び縮みするタンパク。年齢とともに減っていく。
- 1
収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下する。正解
血管の弾力低下により収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下する。
- 2
収縮期血圧は低下し、拡張期血圧は上昇する。不正解
血管硬化では収縮期が上昇するため、収縮期低下・拡張期上昇は誤りである。
- 3
収縮期血圧も拡張期血圧も上昇する。不正解
拡張期は弾力低下により低下するため、両方上昇するとはいえない。
- 4
収縮期血圧も拡張期血圧も低下する。不正解
収縮期はむしろ上昇するため、両方低下するのは誤りである。
📚 国試でよく狙われるところ
高齢者の血圧は、変動しやすさと基準値の数値が続けて出題される。数値は「どこで測ったか」とセットで覚えよう。
- 高齢者は圧受容器反射の低下により起立性低血圧や食後低血圧を起こしやすい。体位変換はゆっくり行う。
- 成人の高血圧の基準は診察室血圧140/90 mmHg以上、家庭血圧135/85 mmHg以上。
- 白衣高血圧や仮面高血圧があるため、家庭血圧の測定が重視される。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について