第109回 看護師国家試験 午後 問28 解説
📝 問題
体温のセットポイントが突然高く設定されたときに起こるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ セットポイントが上がると立毛(悪寒戦慄)が起こる。
感染などで体温調節中枢のセットポイントが突然高く設定されると、体はまだ実際の体温がセットポイントより低いため「寒い」と感じる。 そこで熱産生と熱の保持を高める反応が起こり、立毛(鳥肌)はその一つである。
セットポイント上昇時には、皮膚血管の収縮(熱放散を抑える)、立毛、ふるえ(悪寒戦慄)による熱産生増加が生じ、体温がセットポイントまで上昇していく。 これが発熱の上昇期にあたる。
他の選択肢は逆方向(熱放散)の反応である。 発汗・皮膚血管拡張はセットポイントが下がる解熱期の反応で、代謝抑制も熱産生を減らす反応であり、上昇時には起こらない。 国試では発熱の上昇期・解熱期の反応の区別が頻出である。
セットポイントとは
体温調節中枢が定めている体温の目標値。実際の体温がこれより低いと寒く感じ、体は熱をつくって保とうとする。
- 1
立毛正解
セットポイント上昇時は熱を保つために立毛が起こる。
- 2
発汗不正解
発汗は熱放散の反応で、セットポイントが下がる解熱期にみられる。
- 3
代謝抑制不正解
代謝抑制は熱産生を減らす反応で、上昇時にはむしろ熱産生が増加する。
- 4
皮膚血管拡張不正解
皮膚血管拡張は熱放散を促す反応で、解熱期にみられる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
感染などで内因性発熱物質(サイトカイン)がプロスタグランジンE2を介して視床下部のセットポイントを上げる。 解熱薬はこの経路を抑える。
| 時期 | 体温とセットポイント | 症状 | 看護 |
|---|---|---|---|
| ①上昇期 | セットポイント>体温 | 悪寒・戦慄、立毛、皮膚蒼白、四肢冷感 | 保温する。冷罨法は行わない |
| ②極期(高原期) | セットポイント=体温 | 熱感、顔面紅潮、口渇 | 水分補給、安楽の確保、冷罨法 |
| ③解熱期 | セットポイント<体温 | 発汗、皮膚血管の拡張 | 発汗による脱水に注意、寝衣・寝具の交換 |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について