第108回 看護師国家試験 午後 問36 解説
📝 問題
入浴時に全身の血液循環を促進する作用はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 入浴時に全身の血液循環を促進する作用は「静水圧作用」である。
入浴には温熱・静水圧・浮力の三大作用がある。このうち全身の血液循環を促すのは静水圧作用である。 湯につかると体の表面に水圧がかかり、下肢や腹部の静脈を外から押して血液を心臓へ戻す(静脈還流の促進)。
他の選択肢は別の作用である。浮力作用は体が軽く感じられて関節や筋の負担が減る作用、鎮静作用は温熱によるリラックスの効果にあたる。抗酸化作用は入浴の物理的な作用ではない。 心不全のある人では静脈還流が増えて心臓の負担になるため、全身浴ではなく半身浴やシャワー浴を選ぶ。
- 1
鎮静作用不正解
鎮静作用は温熱によるリラックス効果であり、血液循環を促進する主作用ではない。
- 2
浮力作用不正解
浮力作用は体重を軽く感じさせ関節・筋の負担を軽減する作用で、循環促進が主ではない。
- 3
抗酸化作用不正解
抗酸化作用は入浴の物理的三大作用に含まれず、循環促進とは無関係である。
- 4
静水圧作用正解
静水圧作用は体表を圧迫して静脈還流を促し、全身の血液循環を促進する。
📚 関連知識
| 作用 | 身体への影響 | 看護上の注意 |
|---|---|---|
| 温熱作用 | 血管拡張、血流増加、筋緊張の緩和、鎮痛、リラクセーション | 熱い湯は血圧変動や熱傷の原因。湯温は40℃前後 |
| 静水圧作用 | 静脈還流の促進、循環の促進、横隔膜挙上による呼吸への負荷 | 心不全・呼吸器疾患では半身浴やシャワー浴を検討 |
| 浮力作用 | 体重が軽く感じられ、関節や筋の負担が減る | 転倒に注意。リハビリテーションに活用できる |
脱衣所と浴室の温度差はヒートショックの原因になる。食事直後や飲酒後の入浴は避ける。
参考: 系統看護学講座 基礎看護学 清潔の援助
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について