第108回 看護師国家試験 午後 問37 解説
📝 問題
1回換気量に関係なく吸入酸素濃度を調節できる器具はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 1回換気量に関係なく吸入酸素濃度を調節できるのは「ベンチュリーマスク」である。
ベンチュリーマスクは、ベンチュリー効果を利用して周りの空気を一定の割合で巻き込み、患者の呼吸のしかた(1回換気量や呼吸数)に左右されずに、設定した吸入酸素濃度(FiO2)を安定して送れる高流量システムである。 ダイリューター(コネクタ)を取り替えると、24〜50%の範囲で濃度を正確に調節できる。
他の3つは低流量システムで、流す酸素の量は決められても、実際に吸い込む酸素の濃度は患者の1回換気量や呼吸のしかたで変わってしまう。 CO2ナルコーシスを起こしやすいⅡ型呼吸不全では、酸素の濃度を厳密に管理する必要がある。慢性閉塞性肺疾患(COPD〈シーオーピーディー〉)の増悪がその代表で、ベンチュリーマスクが選ばれる。
ダイリューターとは
ベンチュリーマスクの根元に付ける部品。取り替えると吸入酸素濃度が変わる。
- 1
鼻カニューレ不正解
鼻カニューレは低流量システムで、1回換気量により実際の吸入酸素濃度が変動する。
- 2
フェイスマスク不正解
フェイスマスクも低流量システムで、呼吸パターンにより酸素濃度が変わる。
- 3
ベンチュリーマスク正解
ベンチュリーマスクは高流量システムで、換気量に左右されず設定濃度を安定供給できる。
- 4
リザーバー付酸素マスク不正解
リザーバー付酸素マスクは高濃度供給が可能だが、濃度は呼吸に依存し厳密な調節はできない。
📚 関連知識
| 器具 | 酸素流量 | 吸入酸素濃度の目安 |
|---|---|---|
| 鼻カニューレ | 1〜6L/分 | 約24〜44% |
| 簡易フェイスマスク | 5〜8L/分 | 約40〜60% |
| リザーバー付酸素マスク | 6〜10L/分 | 約60〜90%以上 |
| ベンチュリーマスク | ダイリューターの指定流量 | 24〜50%を安定して供給 |
簡易フェイスマスクは呼気の再呼吸を防ぐため5L/分以上で用いる。鼻カニューレは会話や食事がしやすい。
参考: 系統看護学講座 基礎看護学 呼吸管理
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について