第108回 看護師国家試験 午後 問35 解説
📝 問題
嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 改訂水飲みテスト(MWST)で正しいのは「嚥下後の呼吸状態を評価する」である。
改訂水飲みテスト(Modified Water Swallowing Test:MWST)は、冷水3mLを口腔底に注いで飲み込んでもらう検査である。嚥下反射が起こるか、むせ、呼吸の変化、湿性嗄声の有無を見て、嚥下障害があるかどうかをふるい分ける。 飲み込んだあとの呼吸の乱れは誤嚥を疑う大切なサインなので、評価の項目に含まれる。
他の選択肢の誤りを押さえる。評価は嚥下後10秒間に区切るのではなく、嚥下後30秒ほどのあいだに空嚥下ができるかまで見る。 評価するのは準備期ではなく、嚥下反射が起こる咽頭期である。 水の量は3mLで、80mLではない。もとの水飲みテストは30mLを使うが、改訂水飲みテストは量を減らして誤嚥の危険を小さくしている。
湿性嗄声とは
のどに唾液や飲み物が残って、声がガラガラ・ゴロゴロと濁ること。誤嚥を疑うサインになる。
- 1
嚥下後10秒間で評価する。不正解
評価は嚥下後10秒間に限定されず、嚥下反射と呼吸・むせ・嗄声などを総合的に観察する。
- 2
嚥下動作の準備期を評価する。不正解
MWSTが主に評価するのは準備期ではなく、嚥下反射を含む咽頭期の嚥下である。
- 3
嚥下後の呼吸状態を評価する。正解
嚥下後の呼吸状態の変化は誤嚥の重要な指標であり、評価項目に含まれる。
- 4
80 mLの水の嚥下状況を評価する。不正解
MWSTでは冷水3mLを用いる。80mLでは誤嚥リスクが高くスクリーニングに不適である。
📚 関連知識
| 検査 | 方法 | 異常の目安 |
|---|---|---|
| 反復唾液嚥下テスト〈RSST〉 | 30秒間に空嚥下を何回できるか数える | 3回未満で嚥下障害を疑う |
| 改訂水飲みテスト〈MWST〉 | 冷水3mLを口腔底に注ぎ嚥下してもらう | むせ、湿性嗄声、呼吸の変化があれば異常を疑う |
| フードテスト | ティースプーン1杯程度のプリンやゼリーを嚥下してもらう | 口腔内残留、むせ、湿性嗄声 |
| 嚥下造影〈VF〉・嚥下内視鏡〈VE〉 | 画像で嚥下の過程と誤嚥を直接確認する | 精密検査として実施 |
嚥下は先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5期に分けられ、誤嚥は咽頭期の障害で起こりやすい。
参考: 日本摂食嚥下リハビリテーション学会/系統看護学講座 基礎看護学 フィジカルアセスメント
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について