第108回 看護師国家試験 午後 問102 解説
📝 問題
Aちゃん(8歳、女児)は、2歳時に気管支喘息と診断され、喘息発作で入院した。 気管支喘息による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。 看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 運動時に咳や苦しさが出るAちゃんには、学校で咳が続くときは先生に伝えるよう指導するのが適切である。
Aちゃんは体育のときに咳や息苦しさが出ることがあり、退院後も抗アレルギー薬の内服と吸入ステロイド薬を続ける必要がある。 学校で症状が出たときに早めに教員へ伝えられれば、活動の調整や発作時の対応につながり、重症化を防げる。 8歳の学童本人への指導として、「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」が適切である。
他の3つは、必要のない制限か、症状を悪くする内容である。 咳が出ていないのに体育を見学させるのは、運動誘発喘息への配慮を超えた行きすぎた制限になる。 症状が消えても、薬をやめてよいわけではない。 換気をやめれば、ダニやハウスダストといったアレルゲンが室内にたまりやすくなる。
運動誘発喘息とは
運動をきっかけに、運動中や運動のあとで咳・喘鳴・息苦しさが出るもの。喘息のコントロールが不十分なときに起こりやすい。
- 1
「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」不正解
咳がなくても体育を一律に見学させるのは過度な活動制限で、可能な範囲での運動参加を妨げる。
- 2
「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」正解
症状が出たときに教員へ伝えるよう促すことは、活動調整や発作時対応につながる適切な自己管理指導である。
- 3
「咳が出なくなったら薬はやめましょう」不正解
症状がなくなっても自己判断で服薬を中止すると再発を招くため、継続服薬の指示に反する。
- 4
「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」不正解
換気をやめるとダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが室内に蓄積し、発作を誘発するため逆効果である。
📚 ここも一緒におさえておこう
喘息の自己管理は、薬・環境整備・運動の3つがまとめて問われる。発作を止める薬と発作を起こさせない薬の役割を対にして覚えよう。 学校生活では、この2つの役割を本人と教員が共有しておく。
- アレルゲン対策=寝具の洗濯・掃除・換気でダニやハウスダストを減らす
- 運動誘発喘息では準備運動や事前の発作治療薬使用で参加できることが多く、一律の運動制限は行わない
- 吸入ステロイド薬使用後は含嗽(うがい)で口腔カンジダ症・嗄声を防ぐ
| 区分 | 代表薬 | 使い方 |
|---|---|---|
| 長期管理薬(コントローラー) | 吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬 | 症状がなくても毎日続ける |
| 発作治療薬(リリーバー) | 短時間作用性β2刺激薬 | 発作時に頓用する |
参考: 日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について