第108回 看護師国家試験 午後 問101 解説
📝 問題
Aちゃん(8歳、女児)は、2歳時に気管支喘息と診断された。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。 救急外来で気管支拡張薬の吸入が行われたが、吸入後も呼吸数32/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94 %であったため入院することになった。入院後、鼻カニューレによる酸素投与と点滴静脈内注射が開始され、1日3回のステロイド薬の静脈内注射と1日4回の気管支拡張薬の吸入が開始された。翌日、酸素投与は中止された。バイタルサインは、体温36.8 ℃、呼吸数22/分、心拍数94/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97 %。聴診で喘鳴が聴取された。Aちゃんは「楽になった」と話し、笑顔が見られるようになった。 この時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 発作が軽快し喘鳴が残る時期には、貯留した気道分泌物の排出を助ける排痰を促す看護が適切である。
気管支拡張薬の吸入とステロイドの投与で発作は改善し、SpO2 97%・呼吸数22/分と安定してきたが、聴診では喘鳴が残っている。 この時期は気道の炎症で分泌物がたまりやすく、痰を出せれば気道の通りがよくなり、再び悪くなるのを防げる。 「排痰を促す」看護が適切である。
他の3つは、この時期の援助として合わない。 喘息で助けたいのは吐く息なので、促すのは胸式呼吸ではなく腹式呼吸である。 水分は控えるのではなく、しっかりとって痰を軟らかくする。 酸素投与が中止され笑顔もみられる段階で、ベッド上安静を強いる必要はない。
- 1
排痰を促す。正解
喘鳴が残る回復期には貯留した気道分泌物の排出を助ける排痰の援助が、気道確保と再増悪予防に適切である。
- 2
胸式呼吸を促す。不正解
喘息では効率的な呼気を助ける腹式呼吸などが有用で、胸式呼吸をことさら促すことは適切でない。
- 3
水分摂取を控える。不正解
水分を控えると痰が粘稠になり排出しにくくなるため逆効果で、むしろ十分な水分摂取を促す。
- 4
ベッド上安静とする。不正解
全身状態が安定した時期にベッド上安静を強いる必要はなく、過度な安静はかえって好ましくない。
📚 ここも一緒におさえておこう
喘息の回復期は、痰を出す援助と活動の広げ方が問われる。排痰は「軟らかくする→動かす→出す」の順で組み立てよう。
- 喘息の回復期は喘鳴の残存を確認しながら活動を広げる
- 効果的な咳嗽が難しい小児では遊びを取り入れた呼気練習(吹き戻しなど)も有効
| 段階 | 方法 |
|---|---|
| ①痰を軟らかくする | 十分な水分摂取、加湿、ネブライザーによる吸入 |
| ②末梢から中枢へ移動させる | 体位ドレナージ、スクイージング、軽打法 |
| ③体外へ出す | 咳嗽の促し、ハフィング、必要時は吸引 |
参考: 日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について