第108回 看護師国家試験 午前 問79 解説
📝 問題
血漿の電解質組成を陽イオンと陰イオンに分けたグラフを示す。 矢印で示すのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 矢印が示す血漿の陰イオンは重炭酸イオン〈HCO3-〉である。
血漿の陽イオンでいちばん多いのはナトリウムイオン〈Na+〉で、次いでカリウム・カルシウム・マグネシウムが続く。 陰イオンでいちばん多いのは塩化物イオン〈Cl-〉で、それに次ぐのが重炭酸イオン〈HCO3-〉である。残りをリン酸イオン・硫酸イオン・有機酸・蛋白が占める。
矢印が示すのは、塩化物イオンに次いで多いこの重炭酸イオンである。 重炭酸イオンは、血液の酸塩基平衡を保つ緩衝系の中心として働く。
酸塩基平衡とは
血液が酸性にもアルカリ性にも傾きすぎないように、体がpHを一定の範囲に保つはたらき。
- 1
ナトリウムイオン不正解
ナトリウムイオンは血漿で最も多い陽イオンで、陰イオンの側には現れない。
- 2
カリウムイオン不正解
カリウムイオンも陽イオンで、細胞内液に多く血漿では少ない。
- 3
リン酸イオン不正解
リン酸イオンは陰イオンだが血漿での量は少なく、量の多い陰イオンには当たらない。
- 4
塩化物イオン不正解
塩化物イオンは血漿で最も多い陰イオンだが、矢印が示すのはそれに次いで多い重炭酸イオンである。
- 5
重炭酸イオン正解
重炭酸イオンは塩化物イオンに次いで多い陰イオンで、矢印が示しているのはこれである。
📚 混同しやすいので注意
電解質は、細胞外液と細胞内液で主役が入れ替わる。どちらの液の話かを確かめてから覚えよう。
- 基準値の目安は、ナトリウム135〜145mEq/L、カリウム3.5〜5.0mEq/L、クロール98〜108mEq/L
- 重炭酸イオンは重炭酸緩衝系として働き、血液pHを7.35〜7.45に保つ
| 区分 | 主な陽イオン | 主な陰イオン |
|---|---|---|
| 細胞外液(血漿・間質液) | ナトリウム(最も多い)、カリウム、カルシウム、マグネシウム | 塩化物(最も多い)、重炭酸、蛋白質、リン酸 |
| 細胞内液 | カリウム(最も多い)、マグネシウム | リン酸、蛋白質 |
参考: 人体の構造と機能(生理学)に関する標準的教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について