第107回 看護師国家試験 午後 問15 解説
📝 問題
出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ワルファリンは抗凝固薬で出血傾向を高めるため、手術前に投与の中止を検討する。
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害する経口抗凝固薬で、血栓塞栓症の予防に用いられる。 抗凝固作用により出血傾向を生じるため、観血的処置や手術の前には休薬(またはヘパリンへの置換)を検討する。
国試では周術期に休薬を要する薬剤が問われる。 ワルファリンや抗血小板薬(アスピリンなど)は、出血リスクの観点から中止を検討する代表薬である。
観血的処置とは
皮膚や粘膜を切る・刺すなどして出血を伴う処置。手術・抜歯・生検などが当たる。
- 1
アドレナリン不正解
アドレナリンは昇圧・止血目的でも使われる薬で、出血傾向を理由に術前中止する薬ではない。
- 2
テオフィリン不正解
テオフィリンは気管支拡張薬で、出血傾向とは関連しない。
- 3
ワルファリン正解
ワルファリンは抗凝固薬で出血傾向を高めるため、術前に休薬を検討する。
- 4
バンコマイシン不正解
バンコマイシンは抗菌薬で、出血傾向を理由に術前中止する薬ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
ワルファリンは、作用のしくみから日常生活の指導まで幅広く問われる。 周術期は「休薬するか、ヘパリンに置き換えるか」を主治医が判断する。
- 作用はビタミンK拮抗(第II・VII・IX・X因子の合成阻害)。効果判定はPT-INR
- 納豆・クロレラ・青汁はビタミンKを多く含み効果を減弱させるため摂取しない。緑黄色野菜は極端な多量摂取を避ける
- 出血時の拮抗にはビタミンKを投与する
- 妊婦には禁忌(催奇形性)で、必要時はヘパリンに変更する
- 直接経口抗凝固薬〈DOAC〉は食事制限やPT-INRの定期測定を要さない
- 出血徴候(鼻出血・歯肉出血・血尿・血便・皮下出血)の観察と、抜歯・手術前の申告を指導する
参考: 医学書院『系統看護学講座』(抗凝固薬の周術期管理)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について