第107回 看護師国家試験 午前 問57 解説
📝 問題
大震災の2日後、避難所にいる成人への心理的援助で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 災害急性期の避難所での心理的援助として、ストレス反応に関する情報提供を行うことが適切である。
大災害の2日後という急性期には、心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド;PFA)として、被災者に生じる正常なストレス反応(不眠・不安・過覚醒など)を伝え、それが異常ではないと知らせることが適切である。
他の選択肢は、急性期の関わり方として適切でない。宗教など文化への配慮は初期から欠かせない。無理に会話を続けさせるのは負担となる。確証のない保証は、あとで信頼を損なう。
過覚醒とは
神経が張りつめたままになり、眠れない・物音に過敏になる・落ち着かないといった状態が続くこと。強い出来事のあとには誰にでも起こりうる。
- 1
宗教の多様性への配慮は後で行う。不正解
宗教など文化の多様性への配慮は、後回しにせず急性期の初期から尊重する。
- 2
会話が途切れないように話しかける。不正解
会話が途切れないように話しかけ続けることは被災者の負担になりやすく、無理に話をさせない配慮が必要である。
- 3
確証がなくても安全であると保証する。不正解
確証がないのに安全を保証すると、あとで事実と違ったときに信頼を損なう。分かっている事実を正確に伝える。
- 4
ストレス反応に関する情報提供を行う。正解
正常なストレス反応について情報提供することは、心理的応急処置の一つとして適切である。
📚 国試でよく狙われるところ
災害時の心理支援は、「してよいこと」と「してはいけないこと」を入れ替えて問われる。無理に語らせない・決めつけない・根拠のない保証をしない、の3つを禁じ手として覚えよう。 被災者の心理は茫然自失期→ハネムーン期→幻滅期→再建期と経過するとされる。 支援者自身も強いストレスを受けるため、活動時間の管理や交代制などの支援体制づくりが欠かせない。
- PFAの活動原則=見る・聞く・つなぐ。
- してはいけないこと=無理に話をさせる、体験を根掘り葉掘り聞く、確証のない保証をする、専門用語で説明する、勝手に決めつける。
- 心理的デブリーフィング(体験を強制的に語らせる手法)は推奨されていない。話すかどうかは本人に任せる。
- 急性期には不眠・不安・過覚醒・集中困難が誰にでも起こりうると伝える(心理教育)ことが安心につながる。
参考: WHO 心理的応急処置(PFA)フィールドガイド/系統看護学講座 災害看護
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について