第107回 看護師国家試験 午前 問56 解説
📝 問題
産科外来を初めて受診した妊婦。夫婦ともに外国籍で、日本の在留資格を取得している。この妊婦への説明で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 在留資格をもつ外国籍の妊婦にも、妊婦健康診査は公費の助成を受けられると説明する。
母子保健サービスは国籍を問わず、日本に住所のある妊婦に提供される。市町村が実施する妊婦健康診査の公費助成(受診券など)も受けられる。
他の選択肢は、費用・届出先・国籍の取り扱いが誤っている。母子健康手帳は妊娠の届出をすれば無料で交付される。出生届を出す先は外務省ではなく市町村である。国籍は血統主義で決まるため、父母がともに外国籍であれば子は原則として日本国籍を取得しない。
血統主義とは
生まれた場所ではなく、父母の国籍によって子の国籍が決まる考え方。日本の国籍法はこれを原則としている。
- 1
「母子健康手帳は有料で入手できます」不正解
母子健康手帳は妊娠の届出により市町村から無料で交付されるもので、有料で入手するものではない。
- 2
「妊婦健康診査は公費の助成を受けられます」正解
妊婦健康診査は国籍を問わず市町村の公費助成を受けられ、在留資格のある外国籍の妊婦も対象となる。
- 3
「出生届は外務省に提出します」不正解
出生届は、外務省ではなく市町村(市区町村役場)へ提出する。
- 4
「生まれた子どもは出生時に日本国籍を取得できます」不正解
日本は血統主義を採るため、両親がともに外国籍の場合、生まれた子は原則として出生により日本国籍を取得しない。
📚 国試でよく狙われるところ
母子保健は、届出の提出先と、国籍によって扱いが変わるかどうかが問われる。「サービスは国籍を問わない、国籍の取得は血統主義」と分けて覚え、言葉が通じないときの支援もあわせて押さえよう。 母子保健サービスを実施するのは住所地の市町村で、妊婦健康診査の公費負担は標準的に14回程度とされる。
- 日本の国籍法は血統主義(父母のいずれかが日本国民であれば日本国籍を取得)を原則とし、出生地主義ではない。
- 言語の壁がある場合は医療通訳や多言語の母子健康手帳の活用を検討する。
| 届出 | 提出先 | 要点 |
|---|---|---|
| 妊娠の届出 | 市町村 | 母子健康手帳が交付される(国籍を問わない) |
| 出生届 | 市町村 | 出生の日から14日以内 |
| 死産届 | 市町村 | 妊娠12週以後の死産、死産後7日以内 |
| 低出生体重児の届出 | 市町村 | 出生体重2,500g未満 |
| 未熟児養育医療の申請 | 市町村 | 入院養育を必要とする未熟児への公費負担 |
参考: 母子保健法/厚生労働省 母子保健施策
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について