第106回 看護師国家試験 午後 問44 解説
📝 問題
他動運動による関節可動域〈ROM〉訓練を行うときの注意点で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 他動運動で関節を動かすときは、動かす関節の近位を支えて行う。
他動運動は、患者自身が力を入れず、看護師が外から関節を動かす運動である。目的は、関節が固まる関節拘縮を防ぐことにある。 支え方の原則は、動かす関節の近位を支えて支点を固定し、遠位を持ってゆっくり動かすこと。支えが足りないと、目的の関節ではなく体幹や隣の関節が動いてしまい、必要な範囲まで伸ばせない。
速さと範囲の決め方も大切になる。 痛みが出る手前まで、ゆっくり一定の速さで動かす。痛みを訴えたら止め、無理に押し込まない。
他の選択肢は、患者自身が力を出す運動であるか、痛みへの対応が逆である。
等尺性運動とは
関節を動かさずに、筋へ力を入れた状態を保つ運動。ギプス固定中や安静中でも筋力を落としにくい。
- 1
有酸素運動を取り入れる。不正解
有酸素運動は、歩行や自転車こぎのように患者自身が体を動かし、心臓と肺に働きかける運動である。患者が力を出さない他動運動には含まれない。
- 2
等尺性運動を取り入れる。不正解
等尺性運動は、関節を動かさずに筋へ力を入れて保つ運動で、患者自身の筋収縮が要る。他動運動の注意点にはあたらない。
- 3
近位の関節を支持して行う。正解
動かす関節の近位を支えて支点を固定し、遠位を持って動かす。支えがないと体幹や隣の関節が代わりに動き、目的の関節が伸びない。
- 4
痛みがある場合は速く動かす。不正解
逆。痛みが出たら動きを止め、痛みの手前までゆっくり動かす。速く動かすと筋が反射的に縮み、関節や周りの組織を傷める。
📚 混同しやすいので注意
関節可動域〈ROM〉訓練は、自動・自動介助・他動の区別を入れ替えて問われる。「誰が力を出すか」で見分けよう。
- 自動運動=患者が自分の力だけで動かす。関節可動域の維持と筋力の維持を兼ねる
- 自動介助運動=患者の力に看護師が手を添え、足りない分を助ける
- 他動運動=患者は力を出さず、看護師が動かす。麻痺や意識障害があるときに行う
参考: 系統看護学講座 リハビリテーション看護/系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について