第106回 看護師国家試験 午後 問45 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(80歳、女性)は、要介護2となったため長男家族(長男50歳、長男の妻45歳、18歳と16歳の孫)と同居することとなった。在宅介護はこの家族にとって初めての経験である。Aさんの家族が新たな生活に適応していくための対処方法で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 介護の負担が特定の家族に集中しないよう、家族で話し合うことが最も適切である。

在宅介護が始まると、家族はそれまでの役割や時間の使い方を組み直すことになる。 このとき介護が一人に集中すると、その人が疲れ果て、家族の関係もこじれて介護そのものが続かなくなる。 新しい生活に落ち着くための土台は、家族全員で話し合って決める役割の分担である。話し合いの場を持つこと自体が、たがいの事情を知り、家族の力を引き出す機会になる。

他の選択肢は、家族を一つのまとまりとして見ていない。 在宅サービスは多いほどよいのではなく、必要なものを選んで組む。 介護する家族もまたケアの対象であり、Aさんの希望だけを優先すると家族が疲れてしまう。 18歳と16歳の子どもがいるこの家族には、進学や自立を支えるという家族の発達課題があり、介護のために止めるものではない。

家族の発達課題とは

家族が、子どもの成長や親の加齢といった段階ごとに取り組むことになる課題。子どもが10代なら進学や自立の支援、親が高齢になれば介護の分担がこれにあたる。

  • 1

    活用できる在宅サービスをできる限り多く利用する。不正解

    在宅サービスは、家族で抱えきれない部分を補うために選んで組み合わせるものである。数を増やすほど負担が減るわけではなく、他人が家に入る時間が増えて生活のリズムが乱れることもある。

  • 2

    家族が持つニーズよりもAさんのニーズを優先する。不正解

    家族もケアの対象であり、Aさんと家族の両方の生活が成り立つように調整する。家族の希望を後回しにすると、介護そのものが続かなくなる。

  • 3

    介護の負担が特定の家族に集中しないように家族で話し合う。正解

    誰が何をどこまで担うかを家族で決めておくと、負担の偏りに早く気づける。話し合いの場そのものが、家族が力を合わせるきっかけになる。

  • 4

    10代の子どもを持つ家族の発達課題への取り組みを一時保留にする。不正解

    18歳と16歳の子どもがいる時期の家族には、進学や親からの自立を支えるという家族の発達課題がある。介護のために止めるのではなく、サービスや役割分担で両立できるようにする。

📚 ここも一緒におさえておこう

在宅介護の支援は、介護される人だけでなく家族を単位として見る視点が問われる。「家族もケアの対象」と結びつけて覚えよう。

  • 主に介護する人が誰かを確かめ、その人の健康・仕事・睡眠の状況もあわせて聞く
  • 介護から離れて休む時間をつくるため(レスパイトケア)、短期入所や通所サービスを組む
  • 負担感や罪悪感、孤立感といった家族の気持ちを、言葉にできる場をつくる

参考: 系統看護学講座 在宅看護論/厚生労働省「介護保険制度の概要」

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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