第106回 看護師国家試験 午後 問42 解説
📝 問題
1型糖尿病と診断された人への説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 低血糖では、震え・動悸・冷汗といった自律神経の症状が現れる。
低血糖の症状は、出る順番で覚える。 血糖が下がりはじめると、体が血糖を上げようとしてアドレナリンが出る。このとき起こるのが自律神経症状で、震え・動悸・冷汗や強い空腹感、顔面蒼白がこれにあたる。 さらに下がって脳へのブドウ糖が足りなくなると、頭痛・集中力の低下・生あくび・意識障害といった中枢神経症状へ進む。
自律神経症状は、本人が気づいて対処できる大切なサインである。ここでブドウ糖や糖分を含む飲料をとれば、重い低血糖を避けられる。
他の選択肢は、費用の扱い・インスリンの中止・運動する時間帯をとり違えている。
シックデイとは
糖尿病のある人が、発熱や下痢などで体調をくずし、いつもどおり食べられない日のこと。インスリンを自己判断で中止せず、水分と糖分をとって血糖を測り、主治医に連絡する。
- 1
自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。不正解
逆。インスリン療法を受けている人の自己血糖測定は、血糖自己測定器加算として医療保険の給付の対象になり、試験紙や穿刺針も支給される。
- 2
食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。不正解
逆。1型糖尿病はインスリンがほとんど出ないので、食事がとれない日でも基礎のインスリンは中止しない。水分と糖分をとり、こまめに血糖を測って主治医に連絡する(シックデイ)。
- 3
低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。正解
血糖が下がりはじめた段階でアドレナリンが出て、震え・動悸・冷汗・空腹感が現れる。ここで糖分をとれば、重い低血糖を防げる。
- 4
運動は朝食前が効果的である。不正解
空腹のままの運動は低血糖を起こしやすい。運動は食後1〜2時間ごろが適している。
📚 ここも一緒におさえておこう
低血糖は、症状の順番と対処の中身がそのまま問われる。「自律神経症状のうちに糖をとる」と結びつけて覚えよう。
- 低血糖は血糖70mg/dL未満が目安で、ここから自律神経症状が出はじめる
- 対処はブドウ糖10gを口からとり、15分後に測り直す。戻らなければもう一度とる
- 意識がなく飲み込めないときは口から入れず、すぐに応援を呼んで医師の指示を受ける
参考: 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」/系統看護学講座 成人看護学(内分泌・代謝)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について