第106回 看護師国家試験 午前 問15 解説
📝 問題
せん妄の誘発因子はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ せん妄の誘発因子にあたるのは身体拘束である。
せん妄が起こる要因は3つに分けて整理する。 ・準備因子=もともとの状態(高齢、認知症、脳血管障害の既往) ・直接因子=せん妄を起こす体の原因(感染、脱水、電解質の異常、手術、薬) ・誘発因子=環境やケアに伴って重なる要因(痛み、不眠、点滴やカテーテル、環境の変化)
このうち身体拘束は誘発因子にあたる。 誘発因子は看護のかかわりで最も減らせる部分で、昼夜のリズムを整える、時計やカレンダーを見える場所に置くといった工夫が予防になる。
せん妄とは
体の不調や環境の変化をきっかけに急に起こる意識の混乱。時間や場所が分からなくなり、幻覚や興奮が出ることもある。
- 1
身体拘束正解
動きを縛られること自体が不快と混乱を招き、せん妄の引き金になる。誘発因子の代表である。
- 2
心血管障害不正解
心不全や不整脈は脳への酸素の供給を落としてせん妄を招く。体の側の原因である直接因子にあたる。
- 3
低栄養状態不正解
低栄養は体力と回復力を落とし、せん妄が起こりやすい体の状態をつくる。環境やケアではなく、体の側の要因である。
- 4
電解質バランス異常不正解
低ナトリウム血症などの電解質の異常は脳の働きを直接乱す。直接因子にあたる。
📚 国試でよく狙われるところ
せん妄は認知症との見分け方がくり返し問われる。「急に始まって1日の中で変動するのがせん妄」と、始まり方で分けて覚えよう。
| 項目 | せん妄 | 認知症 |
|---|---|---|
| 始まり方 | 急に始まる | ゆっくり進む |
| 経過 | 1日の中で良くなったり悪くなったりする | 日による変動は小さい |
| 意識 | 混濁する | はっきりしている |
| 見通し | 原因を取り除けば戻ることが多い | もとに戻ることは少ない |
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について