第105回 看護師国家試験 午後 問98 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。 Aさんから「尿が漏れて困ります。洗濯物が増えるので、干したり取り込んだりするのが大変です。どうしたらよいでしょうか」と相談を受けた。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 少量の漏れで自分でトイレに行けるため、下着の中に入れて使う尿失禁用パッドを紹介する。

Aさんの漏れは少量で、自分でトイレまで歩いて行ける。 困っているのは漏れること自体より、下着が濡れて洗濯物が増えることである。

下着の中に入れて使う尿失禁用パッドなら、汚れた分だけ取り替えればよく、洗濯の負担が軽くなる。 自立した排泄を続けたまま、畑仕事も外出も今までどおりにできる。

残る3つは、Aさんの暮らしに対して手厚すぎる。 テープ付き紙おむつは寝たまま交換する人のためのもので、歩ける人が使うと動きにくくなる。 背もたれ付きポータブルトイレは座る姿勢を保ちにくい人のためのもので、Aさんは洋式トイレに座れる。 訪問介護は要介護認定を受けたうえで使うサービスで、まずは本人にできる工夫を試す段階である。

  • 1

    テープ付き紙おむつを紹介する。不正解

    テープ付き紙おむつは、寝たまま交換する人に使うものである。歩けるAさんが使うと動きにくく、排泄の自立を損なう。

  • 2

    背もたれ付きポータブルトイレを紹介する。不正解

    背もたれ付きポータブルトイレは、座る姿勢を保ちにくい人や、トイレまで移動できない人が使う。Aさんは洋式トイレに座れている。

  • 3

    介護保険の訪問介護を受けた方がよいと説明する。不正解

    訪問介護は要介護認定を受けてから利用するサービスである。少量の漏れに対しては、まず本人が続けられる工夫を提案する。

  • 4

    下着の中に入れて使う尿失禁用パッドを紹介する。正解

    少量の漏れを吸収でき、汚れた分だけ取り替えればよいので洗濯物が減る。今までどおりトイレで排泄しながら使える。

📚 ここも一緒におさえておこう

排泄の援助は「できることを奪わない」方向で選ばれる。負担の軽い方法から順に試す、と覚えよう。

  • まず環境を整える=トイレまでの物を片づける、手すり、明かり、脱ぎ着しやすい下着
  • 次に用具で補う=尿失禁用パッド、パンツ型おむつ、必要ならポータブルトイレ
  • おむつは最後の手段。尿意が薄れ、皮膚のトラブルや意欲の低下につながるので、必要な時間帯だけに絞る

参考: 系統看護学講座 老年看護学/系統看護学講座 基礎看護技術(排泄の援助)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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