第105回 看護師国家試験 午後 問99 解説
📝 問題
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。 Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 自宅に戻りたい気持ちを支え、痛みが強くならないような生活の工夫を一緒に考える。
Aさんは「家に戻りたい」と言いながら、「また痛くなりそうで怖い」とも話している。 帰りたい気持ちと、痛みがぶり返す不安が同時にある。
必要なのは、腰痛が強くならないための生活の工夫を具体的に決めておくことである。 腰部脊柱管狭窄症では腰を反らすと症状が強まり、前かがみになると楽になる。 畑仕事は一度に長く続けずに腰かけて休む、重い物は抱えずに運ぶ道具を使う、といった工夫を一緒に考えると、自分で対処できる見通しが立って不安がやわらぐ。
残る3つは、Aさんの望みや気持ちから外れている。 再入院を前提にした返事は、自宅で暮らし続ける力を支えていない。 動けなくなると告げるのは、不安をさらに強める。 同居の提案は、Aさんが望んでいない暮らしの変更を先に持ち出している。
- 1
「痛くなれば、また入院して治療しましょう」不正解
入院を前提にした返事で、自宅で暮らし続けるための手立てにつながらない。Aさんの「家に戻りたい」という思いにも応えていない。
- 2
「入院が長引くと、もっと動けなくなりますよ」不正解
動けなくなると告げるのは不安をあおる伝え方になる。早期に離床する意義は、できるようになることを示しながら伝える。
- 3
「1人暮らしが心配なら息子さんと同居したらいかがですか」不正解
長男は他県に住んでおり、Aさん自身も同居を望んでいない。暮らし方の変更は本人の意向を確かめてから話し合う。
- 4
「自宅でも痛みが強くならないような生活の工夫を考えましょう」正解
痛みを起こしにくい動き方や休み方を一緒に決めると、Aさんが自宅で自分に何ができるかを見通せる。不安の中身に直接こたえる関わりになる。
📚 ここも一緒におさえておこう
腰部脊柱管狭窄症は、症状が出る場面と楽になる姿勢を対にして問われる。「反らすと悪化・前かがみで軽快」で覚えよう。
- 歩くうちに下肢がしびれて歩けなくなり、少し休むとまた歩ける間欠性跛行が代表的な症状
- 自転車や手押し車は前かがみになれるので、歩くより長い距離を楽に動ける
- 症状が強ければ手術も選べるが、まずは薬と運動、姿勢の工夫で経過をみる
参考: 系統看護学講座 老年看護学/医療情報科学研究所編『病気がみえる 運動器・整形外科』
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について