第105回 看護師国家試験 午前 問26 解説
📝 問題
筋収縮で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 筋が収縮するとき、筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。
骨格筋が縮む順序はこうなっている。 神経からの信号が筋線維に伝わると、筋小胞体からカルシウムイオンが細胞質へ放出される。 カルシウムイオンがアクチンの上のトロポニンに結合すると、じゃまをしていたトロポミオシンがずれ、ミオシンの頭部がアクチンをつかめるようになる。 ミオシンの頭部がアクチンをたぐり寄せて滑り込ませることで筋節が短くなり、筋全体が縮む。アクチンとミオシンそのものは短くならないため滑走説とよばれる。
この動きにはエネルギー(ATP)が要り、ATPを分解する酵素はミオシンの頭部にある。収縮が終わると、カルシウムイオンは筋小胞体へ回収される。
筋紡錘とは
筋の中にあり、筋がどれだけ伸びたかを感じ取るセンサー。γ運動ニューロンが支配する。
- 1
筋収縮はミオシンの短縮である。不正解
短くなるのは、アクチンとミオシンが重なりあう筋節のほうである。フィラメント自体の長さは変わらず、たがいに滑り込むことで筋が縮む。
- 2
アクチンにATP分解酵素が存在する。不正解
ATPを分解する酵素があるのはミオシンの頭部である。アクチンは、たぐり寄せられる側のフィラメント。
- 3
α運動ニューロンは筋紡錘を興奮させる。不正解
α運動ニューロンが収縮させるのは、力を出す本体である錘外筋線維。筋紡錘の中の錘内筋線維を支配するのはγ運動ニューロンである。
- 4
筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。正解
神経の信号が伝わると筋小胞体からカルシウムイオンが放出され、これが引き金になって収縮が始まる。
📚 混同しやすいので注意
筋収縮は「どこに何があるか」を入れ替えて問われる。カルシウムは筋小胞体、ATPを分解する酵素はミオシンの頭部、と物と場所を対にして覚えよう。 α運動ニューロンは力を出す錘外筋線維を収縮させ、γ運動ニューロンは筋紡錘の中の錘内筋線維を支配して、筋の伸びを感じ取る感度を調節する。
参考: 標準的な解剖生理学(骨格筋の収縮機構)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について