第105回 看護師国家試験 午前 問22 解説
📝 問題
薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 血中濃度が最も速く上がるのは静脈内注射である。
静脈内注射は、薬を血管の中へ直接入れる方法である。吸収の過程がないため、投与した量がそのまま血液中に届き、血中濃度は最も速く上がる。 速いぶん、副作用やアレルギー反応も急に強く出る。投与中と投与直後の観察が欠かせない。
残る3つは、どこかの組織から吸収される過程を挟むぶん遅くなる。筋肉内注射は血流の多い筋から吸収されて比較的速く、坐薬は直腸の粘膜から吸収される。経口薬は消化管から吸収されたあと肝臓で分解を受ける初回通過効果があり、最も遅く、効きめも弱まる。
初回通過効果とは
口から飲んだ薬が、腸で吸収されたあと必ず肝臓を通り、そこで分解されて量が減ること。飲み薬の効きめが注射より弱くなる理由。
- 1
坐薬不正解
坐薬は直腸の粘膜から吸収される。下部から吸収された分は肝臓を通らずに全身へ回るため経口薬より速いが、静脈内注射にはおよばない。
- 2
経口薬不正解
経口薬は消化管で吸収されたあと肝臓で分解を受けるため、血中濃度が上がるのが最も遅い。飲みやすさと安全性から日常でよく使われる方法。
- 3
筋肉内注射不正解
筋肉内注射は血流の多い筋から吸収されるので皮下注射より速い。血管へ直接入れるわけではないぶん、静脈内注射より遅くなる。
- 4
静脈内注射正解
血管の中へ直接入れるため吸収を待つ必要がなく、投与した量がそのまま血液中に届く。
📚 国試でよく狙われるところ
与薬方法は、効きはじめの速さを並べ替えて問われる。血管に近いほど速い、と考えると順番が出せる。
- 速い順は静脈内注射→筋肉内注射→皮下注射→坐薬→経口薬
- 舌下錠(ニトログリセリンなど)は口の粘膜から吸収され、肝臓を通らずに全身へ回るため速く効く
- 坐薬も、直腸の下部から吸収された分は肝臓を通らずに全身へ回るので、経口薬より速く効く
参考: 標準的な薬理学(与薬方法と薬物動態)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について