第103回 看護師国家試験 午後 問79 解説
📝 問題
Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。 担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 文化的な制限に配慮した食事を出せるか、栄養管理部に相談するよう助言するのが適切である。
食事の制限は宗教や文化に根ざした生活の一部で、本人が簡単に変えられるものではない。入院中の食事は病院の中で調整できる余地があるため、まず院内の栄養部門に相談し、制限に合う献立が組めるかを確かめる。 ネフローゼ症候群では塩分と蛋白質の量にも配慮が要るので、治療上の条件と文化上の条件を両方満たす形を管理栄養士と一緒に探すことになる。
他の3つは、Aさんの文化を切り捨てるか、病院の責任を外へ預ける対応になる。 配慮できないと言い切ることも治療を優先だと押し切ることも、文化的背景の尊重という看護の基本から外れる。友人の差し入れに任せると、治療に必要な食事の内容と量を把握できなくなる。
- 1
日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。不正解
日本の病院でも、食材や調理法を替えれば献立は調整できる。配慮できないと決めつける前に、院内で相談する手立てが残っている。
- 2
文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。不正解
治療と文化的配慮は二者択一ではない。治療上必要な栄養の条件を保ったまま、食材を替えることで両立できる。
- 3
Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。不正解
差し入れに任せると食事の内容と量を把握できず、ネフローゼ症候群で必要な塩分と蛋白質の管理ができなくなる。
- 4
文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。正解
栄養管理部に相談すれば、治療上の制限と文化的な制限の両方を満たす献立を組める。まず院内で解決する道を探る。
📚 ここも一緒におさえておこう
在留外国人の看護は、言葉より生活習慣への配慮が問われやすい。「本人に合わせて何ができるかを院内で探す」が答えの型になる。
- 食の禁忌の例=イスラム教は豚肉とアルコール(許された食品はハラールという)、ヒンドゥー教は牛肉、ベジタリアンでは肉類全般
- 日常会話ができても、病名・検査・同意書の説明は別。医療通訳や多言語の資料を使う
- 宗教上の理由で輸血や身体の露出を避ける場合があり、検査や処置の前に本人へ確認する
参考: 標準的な看護学(異文化看護・文化的ケア)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について