第103回 看護師国家試験 午前 問56 解説
📝 問題
Aさん(75歳、男性)は、1人で暮らしている。Aさんは、耳鳴が気になり耳鼻科を受診したところ、老人性難聴と診断された。Aさんは、医師から補聴器の使用を勧められたが「どうせ1人で誰とも話さないから必要ない。生活していて不便なことはない」と言う。Aさんへの説明として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ まず一度補聴器を試してみるよう勧める。
老人性難聴は、内耳にある音を感じ取る細胞が加齢で減って起こる。高い音から聞こえにくくなり、音は聞こえるのに言葉が聞き取れないのが特徴で、元に戻ることはない。 Aさんは1人暮らしで会話の機会が少ないため、聞こえにくさに気づきにくい。「必要ない」という言葉を説得で覆そうとするより、実際に試してもらうほうが、本人が要るかどうかを自分で確かめられる。
他の選択肢は、事実と違うか、本人の気持ちを追いつめてしまう。
- 1
「難聴は治りますよ」不正解
老人性難聴は内耳の変化によるもので、治って元に戻ることはない。できるのは、残っている聞こえを補うこと。
- 2
「文字盤を利用しましょう」不正解
文字盤は、声を出せない人が意思を伝えるための道具。Aさんは話せるので、必要になれば筆談で足りる。
- 3
「一度補聴器を試してみましょう」正解
使ってみて初めて、聞こえ方の違いが本人に分かる。押しつけずに、まず試す機会をつくる。
- 4
「聞こえないとますます孤立しますよ」不正解
孤立しやすいのは事実でも、不安をあおる言い方になる。本人の「必要ない」という気持ちを否定せず、試してから決めてよいと伝える。
📚 ここも一緒におさえておこう
高齢者への話しかけ方は、そのまま選択肢になって問われる。「低く・ゆっくり・正面から」の3つで覚えよう。
- 低めの声でゆっくり話す。大声で叫ぶと、かえって聞き取りにくくなる
- 正面から、口元が見えるようにして話す
- テレビを消すなど静かな場所を選ぶ。周りの音は聞き取りのじゃまになる
参考: 系統看護学講座 老年看護学/系統看護学講座 成人看護学 耳鼻咽喉
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について