第103回 看護師国家試験 午前 問114 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは、毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけしてください」と言う。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており、近くに親類や知り合いはいない。Aさんの今後の治療に向けて、病院内でチームを編成することになった。 チームに組み入れる専門職で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 暴力による心の傷を支えるため、チームには心理専門職を優先して加える。
Aさんは骨折の治療だけでなく、暴力を受け続けたことによる恐怖と不眠を抱えている。 こうした反応は心的外傷後ストレス障害(PTSD〈ピーティーエスディー〉)へ進むこともあり、心の回復を支える専門職が要る。 心理検査や面接で心の状態を評価し、回復に向けた支援を行うのが心理専門職で、チームにまず加える相手になる。
他の3つは、いまのAさんの課題に直接は結びつかない。 食事の問題は生じていない。 肋骨骨折は固定と安静で治り、運動の訓練は要らない。 活動を通した生活の立て直しは、心の傷への支援が進んでからになる。
- 1
栄養士不正解
栄養士は食事の内容や栄養状態に関わる。Aさんに食事の問題は起きていない。
- 2
理学療法士不正解
理学療法士は運動機能の回復を担う。肋骨骨折は固定と安静で治り、いま優先される支援ではない。
- 3
作業療法士不正解
作業療法士は作業や活動を通して生活の回復を助ける。まず心の傷への直接の支援が先になる。
- 4
心理専門職正解
暴力による恐怖や不眠を評価し、面接などで回復を支える。今後の生活の立て直しにもつながる。
📚 ここも一緒におさえておこう
心理職は資格の名前と役割で問われる。国家資格になった公認心理師を軸に覚えよう。
- 公認心理師は2017年に施行された公認心理師法にもとづく国家資格で、心の状態の観察や分析、本人と家族への相談・助言を行う
- 臨床心理士は民間の資格で、心理検査や心理療法を担っている
- 暴力の被害者を支えるチームには、医師・看護師・心理専門職に加えて医療ソーシャルワーカーが入り、生活の立て直しまで支える
参考: 公認心理師法/暴力被害者への多職種支援(精神看護学)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について