第103回 看護師国家試験 午前 問113 解説

状況設定精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。Aさんは、毎日面会に来る夫に非常におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。骨折の処置だけしてください」と言う。Aさんは専業主婦で夫と2人で暮らしており、近くに親類や知り合いはいない。Aさんには、不眠や急におびえたように震え出す様子がみられた。鎮痛薬を増量したが、骨折による痛みは全く軽減していない。睡眠薬も開始したが、不眠も改善していない。受け持ち看護師はどのように対応したらよいか分からず、リエゾン精神看護を専門とする看護師に相談した。 リエゾン精神看護を専門とする看護師の介入として適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 薬で取れない痛みと不眠に対して、リラクセーション法を受け持ち看護師と一緒に計画する。

鎮痛薬を増やしても痛みが変わらず、睡眠薬を使っても眠れない。おびえて震え出す様子もあり、痛みと不眠には心理的な緊張が大きく関わっている。 リエゾン精神看護を専門とする看護師の役割は、治療を代わりに引き受けることではなく、受け持ち看護師と一緒にケアを組み立てて支えることである。 呼吸法や漸進的筋弛緩法などのリラクセーション法は、緊張をゆるめて痛みと眠りの両方に働きかける。

他の3つは、専門看護師の役割から外れるか、Aさんを危険にさらす。 夫と話し合う場を設ければ、Aさんの恐怖はさらに強まる。 転棟を看護師長へ指示する立場でもない。 効いていない薬をさらに増やしても、眠れない理由は変わらない。

リエゾン精神看護とは

体の病気で入院している人の心の問題に、精神看護の知識で関わる分野。患者本人と、その人を看護するスタッフの両方を支える。

  • 1

    Aさんと夫が話し合う場を設定する。不正解

    Aさんは夫に強くおびえている。加害者と同席する場は、安全を脅かして恐怖を強める。

  • 2

    精神科病棟への転棟を看護師長に指示する。不正解

    リエゾン精神看護を専門とする看護師は、相談を受けて助言する立場である。転棟は本人の意思や治療方針をふまえて決める。

  • 3

    リラクセーション法による介入を受け持ち看護師と計画する。正解

    呼吸法や漸進的筋弛緩法で緊張をゆるめると、痛みの感じ方と眠りの両方が変わりやすい。受け持ち看護師と計画を立てて実施する。

  • 4

    睡眠薬の増量を主治医と相談するよう受け持ち看護師に伝える。不正解

    薬を増やしても効かない状況で、さらに睡眠薬を足しても眠れない。眠りを妨げている恐怖や緊張に目を向ける。

📚 ここも一緒におさえておこう

リエゾン精神看護は、誰に何をする役割かで問われる。患者だけでなくスタッフも支える、と覚えよう。

  • 体の治療を受けている人の不安・抑うつ・せん妄に対応する
  • 受け持ち看護師の相談に乗り、ケアを一緒に組み立てる(コンサルテーション)
  • 精神科医や心理専門職につなぎ、チームでの支援を整える

参考: リエゾン精神看護とコンサルテーション(精神看護学)

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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