第115回 看護師国家試験 午後 問70 解説
📝 問題
看護サービスの質でストラクチャーを評価するための情報はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 看護師の離職率は人的資源の状態を示すストラクチャー指標である。
医療の質の評価は、Donabedian(ドナベディアン)が示したストラクチャー(構造)・プロセス(過程)・アウトカム(結果)の3側面で行う。ストラクチャーはケアを提供するための条件・資源、すなわち人員配置、有資格者の数と経験、施設・設備、教育体制、マニュアルや組織体制を指す。 看護師の離職率は、看護職員をどれだけ確保・定着させられているかという人的資源の安定性を表すため、ストラクチャーの指標に分類される。
プロセスは実際に行われたケアの中身(アセスメント、患者教育の方法、記録、カンファレンスの実施など)、アウトカムはケアによってもたらされた結果(有害事象の発生数、褥瘡発生率、患者満足度、在院日数など)である。この3つは切り離さず、構造→過程→結果の流れとしてつなげて評価することに意味がある。
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看護師の離職率正解
看護師の離職率は、必要な看護職員を確保・定着させられているかという人的資源の状態を示す。人員は代表的なストラクチャー要素であり、離職率が高い病棟では経験の蓄積や教育体制にも影響が及ぶ。
- 2
患者教育の方法不正解
患者教育の「方法」は、実際にどのようなケアが行われたかを示すのでプロセスの評価にあたる。なお、教材やパンフレット、指導室の有無はストラクチャー、教育の結果として患者の自己管理行動が改善したかはアウトカムになる。
- 3
有害事象の発生数不正解
有害事象の発生数はケアの結果として生じた出来事なのでアウトカムである。褥瘡発生率・転倒転落発生率・院内感染発生率も同じくアウトカム指標である。
- 4
ケアに対する患者・家族の満足度不正解
ケアに対する患者・家族の満足度は、提供されたケアがどのような結果をもたらしたかを利用者の側から評価したものでアウトカムにあたる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
評価は3側面をそろえると改善につながる。 たとえば褥瘡対策なら、体圧分散マットレスの整備台数(構造)→入院時のブレーデンスケール実施率(過程)→院内新規褥瘡発生率(結果)という形で、結果が悪いときにどこを直せばよいかが見える。
| 側面 | 何をみるか | 指標の例 |
|---|---|---|
| ストラクチャー(構造) | ケアを提供する条件・資源 | 看護職員数と配置、看護師の離職率、専門看護師・認定看護師の人数、施設設備、教育研修体制、マニュアルの整備 |
| プロセス(過程) | 実際に行われたケアの内容 | アセスメント・看護計画の実施状況、患者教育の方法、看護記録の内容、多職種カンファレンスの開催 |
| アウトカム(結果) | ケアがもたらした結果 | 褥瘡発生率、転倒転落発生率、院内感染発生率、有害事象発生数、患者満足度、在院日数 |
参考: Donabedian A. The Quality of Care: How Can It Be Assessed?(医療の質評価の枠組み)/日本看護協会「労働と看護の質向上のためのデータベース(DiNQL)事業」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について