第115回 看護師国家試験 午後 問66 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

うっ滞性乳腺炎について正しいのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ うっ滞性乳腺炎では乳汁を出すことが治療なので授乳を継続する。

うっ滞性乳腺炎は、乳汁が乳管内にうっ滞して起こる非感染性の乳腺炎である。原因が乳汁のたまりである以上、治療の基本は乳汁を出すこと、すなわち授乳や搾乳を続けることになる。授乳を中止するとうっ滞が悪化し、細菌感染を合併して化膿性乳腺炎に進むおそれがある。

好発時期は乳汁分泌が本格化する産褥2〜6日ころで、分娩直後ではない。乳房全体の緊満・硬結・熱感・疼痛といった自覚症状は強く、微熱を伴うこともある。 授乳前に乳房を温めて乳汁の流れをよくし、頻回に授乳・搾乳して乳房を空にするのが基本のケアである。

  • 1

    授乳を継続する。正解

    乳汁のうっ滞が原因であるため、頻回の授乳と適切な搾乳で乳汁を排出させることが治療そのものになる。授乳を中断すると症状は悪化する。児が飲みきれない場合は授乳後に搾乳して乳房を空にする。

  • 2

    自覚症状が乏しい。不正解

    乳房全体の緊満と硬結、熱感、圧痛が強く、自覚症状は明らかである。むしろ痛みのために授乳を避けてしまい、うっ滞がさらに進むという悪循環が問題になる。

  • 3

    感染によって生じる。不正解

    うっ滞性乳腺炎は乳汁うっ滞による非感染性の炎症である。細菌感染(多くは黄色ブドウ球菌)で起こるのは化膿性乳腺炎で、乳頭の亀裂から菌が侵入し、産褥2〜6週ころに片側性・限局性の強い炎症と38℃以上の発熱を来す。

  • 4

    分娩直後に発症することが多い。不正解

    分娩直後ではなく、乳汁分泌が急に増える産褥2〜6日ころ(乳房緊満の時期)に多い。分娩直後は初乳が少量分泌されている時期で、うっ滞は起こりにくい。

📚 混同しやすいので注意

うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎は、原因・時期・熱の高さを入れ替えて問われる。下の表で対にして覚えよう。 産褥3〜4日ころに乳房が張って熱をもつ乳房緊満は、うっ滞性乳腺炎の前段階にあたる生理的な変化である。 この時期に授乳間隔を空けないことが最大の予防になる。

うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎の比較
項目うっ滞性乳腺炎化膿性乳腺炎
原因乳汁のうっ滞(非感染性)乳頭の亀裂などからの細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
好発時期産褥2〜6日ころ産褥2〜6週ころ
部位両側・乳房全体片側・限局性(くさび形の発赤)
発熱微熱程度38℃以上の高熱、悪寒・戦慄
主な治療授乳・搾乳の継続、授乳姿勢の改善抗菌薬(授乳は継続可)、膿瘍形成時は切開排膿

参考: 日本助産師会「乳腺炎ケアガイドライン」/系統看護学講座 母性看護学(産褥期の異常)

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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