第115回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
在宅療養者の服薬の自己管理として適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 受診時にお薬手帳を持参することが、服薬の自己管理として適切である。
服薬の自己管理とは、療養者自身が何を・いつ・どれだけ飲むのかを把握し、安全に続けられる状態をつくることである。お薬手帳は複数の医療機関や薬局にかかっていても服薬内容を一元的に確認できる記録で、受診・調剤のたびに持参することで重複投薬・相互作用・アレルギー歴の見落としを防げる。 災害時や急変時にも治療の手がかりになる。
他の選択肢は自己管理の考え方から外れるか、危険を伴う。とくに錠剤を自己判断で砕く行為は、徐放錠や腸溶錠では放出を制御する設計が壊れ、血中濃度の急上昇や胃粘膜障害を招くため行ってはならない。
- 1
受診時にお薬手帳を持参する。正解
お薬手帳は服薬内容を一元管理する記録であり、受診・調剤のたびに持参することで重複投薬や相互作用を防げる。市販薬・サプリメント・副作用歴も書き加えておくとよい。
- 2
訪問看護師の声かけで服用する。不正解
訪問看護師の声かけがなければ飲めない状態は他者に依存した服薬であり、自己管理とはいえない。一包化、服薬カレンダー、アラームなど、療養者自身が続けられる方法を検討する。
- 3
処方された錠剤を自分で砕いて服用する。不正解
徐放錠や腸溶錠を砕くと放出制御が失われ、急激な血中濃度上昇や胃粘膜障害を起こす。飲み込みにくい場合は自己判断で砕かず、医師・薬剤師に相談して剤形変更(散剤・液剤・口腔内崩壊錠)や服薬ゼリーの使用を検討する。
- 4
常温で保管する薬剤を自宅内の複数の場所に置く。不正解
保管場所を分散させると、飲み忘れや二重服用が起こり、期限切れの残薬にも気づけない。原則として1か所にまとめ、直射日光と高温多湿を避けて保管する。
📚 ここも一緒におさえておこう
在宅療養者の服薬アドヒアランス(決めた薬を続けられていること)を高める工夫は、飲み方・処方・続かない理由の3つから考える。
- 一包化(服用時点ごとにまとめる)や剤形の変更を医師・薬剤師に相談する
- 服薬カレンダー・お薬ボックス・スマートフォンのアラームを併用する
- 1日3回を1日1回にできないかなど、処方内容そのものの見直しを提案する
- 残薬を毎回数え、飲めていない理由(味・大きさ・副作用・費用・理解不足)を具体的に探る
- 多剤併用(ポリファーマシー)は転倒・せん妄・低血糖のリスクとなるため薬剤師と連携して整理する
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について