第115回 看護師国家試験 午前 問50 解説
📝 問題
廃用症候群の説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 廃用症候群では骨吸収が進み、尿の停滞も加わって尿管結石を発症しやすい。
廃用症候群は、安静や不動が続くことで起こる二次的な心身機能の低下の総称である。
尿路結石ができるまでの流れはこうなる。 ・臥床が続き、骨に力学的な負荷がかからなくなる ・骨吸収が進み、血中と尿中のカルシウムが増える ・臥位では尿の流れも滞りやすい ・尿路結石(尿管結石)ができやすくなる
- 1
がん患者ではみられない。不正解
がん患者でも、治療に伴う安静・倦怠感・疼痛によって廃用症候群は起こる。そのため周術期や化学療法中にもがんリハビリテーションが行われる。
- 2
尿管結石を発症しやすい。正解
正しい。不動で骨吸収が進んで高カルシウム尿となり、臥位では尿の停滞も加わるため尿路結石が生じやすい。
- 3
加齢とともに進行は遅くなる。不正解
逆で、高齢者は予備能が低下しているぶん進行はむしろ速く、回復には長い時間がかかる。数日の臥床でも歩行が難しくなることがある。
- 4
二次的に高血圧を発症しやすい。不正解
臥床が続くと循環血漿量が減り血管運動反射も低下するので、生じやすいのは起立性低血圧である。離床時のふらつき・失神に注意する。
📚 一緒に確認しよう
廃用症候群は全身に及ぶ。系統ごとに何が起こるかと、その予防を並べて見ておくと、どこを問われても答えられる。
- 予防の基本は早期離床と、寝たままでもできる関節可動域訓練・等尺性運動。「動かさない時間を作らない」ことが最大の対策になる。
| 系統 | 主な症候 |
|---|---|
| 筋・骨格 | 筋萎縮・筋力低下(安静臥床で1週間に約10〜15%低下)、関節拘縮、廃用性骨粗鬆症 |
| 循環 | 起立性低血圧、深部静脈血栓症、心拍出量の低下 |
| 呼吸 | 換気量の低下、排痰困難、沈下性肺炎 |
| 泌尿 | 尿路結石、尿路感染、尿失禁 |
| 消化 | 食欲低下、便秘 |
| 皮膚 | 褥瘡 |
| 精神・神経 | 意欲低下、抑うつ、見当識障害、せん妄 |
参考: 日本リハビリテーション医学会「がんのリハビリテーション診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について