第115回 看護師国家試験 午前 問49 解説
📝 問題
慢性疾患がある成人のアドヒアランスを高める要因はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 療養方法の利益と害が分かることが、アドヒアランスを高める要因になる。
アドヒアランスは、患者が治療方針の決定に自分から参加し、納得したうえで治療を続けることをいう。医療者の指示にどれだけ従ったかをみるコンプライアンスとは違い、患者自身の理解と納得が中心にある。
療養方法の利益と害が分かるということは、その治療を続ける意味を自分で判断できるということ。 これがアドヒアランスを高める要因になる。
- 1
自覚症状がない。不正解
自覚症状がないと効果を実感できず、「飲まなくても大丈夫」と自己判断して中断しやすい。高血圧や脂質異常症で典型的にみられる。
- 2
治療費が高額である。不正解
治療費が高額だと経済的負担になり、受診や服薬の中断を招く。高額療養費制度や後発医薬品の活用など、経済面の支援が要る。
- 3
療養方法が複雑である。不正解
服薬回数や薬の種類が多い、手技が複雑といった要因は実行を難しくし、アドヒアランスを下げる。簡素化が支援の基本になる。
- 4
療養方法の利益と害が分かる。正解
正しい。利益と害の両方が分かることで、患者は自分にとっての治療の意味を判断でき、納得して続けられる。
📚 混同しやすいので注意
コンプライアンス・アドヒアランス・コンコーダンスは、言葉を入れ替えて問われる。主役が誰かで見分けよう。 アドヒアランスは患者の納得で決まるので、続けやすくする工夫もあわせて押さえる。
- アドヒアランスを高める工夫=服薬の一包化、服用回数を減らす(1日1回へ)、剤形の変更、お薬手帳・服薬カレンダー、家族の協力、血圧手帳などのセルフモニタリング。
- 情報を理解し活用する力(ヘルスリテラシー)に配慮し、専門用語を避けて具体的に説明する。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| コンプライアンス | 患者が医療者の指示にどれだけ従うか(医療者が主体) |
| アドヒアランス | 患者が納得して治療方針の決定に参加し、積極的に実行すること(患者が主体) |
| コンコーダンス | 患者と医療者が対等に話し合い、合意を形成すること |
参考: WHO. Adherence to Long-term Therapies: Evidence for Action (2003)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について