第115回 看護師国家試験 午前 問37 解説
📝 問題
尿比重が低くなるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 尿崩症では抗利尿ホルモンの作用不足で水が再吸収されず、低張・低比重の多尿となる。
尿比重は尿に溶けている物質の量を映す指標で、随時尿の基準値はおよそ1.005〜1.030である。
尿崩症では、抗利尿ホルモン〈ADH(エーディーエイチ)/バソプレシン〉の分泌不足(中枢性)か、腎臓の反応低下(腎性)のために集合管で水が再吸収されない。その結果、薄い尿が大量に出る低張・低比重の多尿(尿比重1.005以下)になる。
- 1
糖尿病不正解
糖尿病では尿糖という溶質が加わるので尿比重は高くなる。多尿になる点は共通だが、比重の動きが正反対である。
- 2
尿崩症正解
正しい。ADHの作用不足で水が再吸収されず、薄い尿が大量に出る。1日3L以上の多尿と強い口渇・多飲を伴う。
- 3
水欠乏性脱水不正解
水欠乏性(高張性)脱水ではADHの分泌が高まり水が保たれるため、尿量は減り濃い高比重尿になる。
- 4
ネフローゼ症候群不正解
ネフローゼ症候群では1日3.5g以上の蛋白が尿に出るため、比重はむしろ高くなる。低アルブミン血症と全身浮腫を伴う。
📚 混同しやすいので注意
糖尿病も尿崩症も多尿になるが、尿比重の向きは正反対。ここが鑑別点になる。
- 1日尿量の区分=無尿100mL/日未満、乏尿400mL/日未満、多尿2,500〜3,000mL/日以上。
- 中枢性か腎性かは、水制限試験とバソプレシン(デスモプレシン)負荷試験で見分ける。
| 尿比重 | 主な病態 |
|---|---|
| 低比重(薄い尿) | 尿崩症、心因性多飲、慢性腎不全(等張尿に固定)、利尿薬使用時 |
| 高比重(濃い尿) | 脱水、糖尿病、ネフローゼ症候群、心不全、造影剤使用後 |
参考: 日本腎臓学会「エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について