第115回 看護師国家試験 午前 問16 解説
📝 問題
腰椎穿刺の体位を図に示す。適切な体位はどれか。(別紙参照)
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 側臥位で膝を抱え背中を丸めた「エビの姿勢」(図2)
腰椎穿刺では、側臥位で両膝を抱え、頸部を前屈させて背中を丸めた「エビ(海老)のような姿勢」をとる。背部を丸めることで棘突起の間隔(椎間腔)が最大に開き、穿刺針を進めやすくなるためである。図2がこの体位にあたる。
穿刺部位は、左右の腸骨稜を結ぶ線(Jacoby線)が正中と交わる高さで、L3/4またはL4/5。成人では脊髄がL1/2の高さで終わる(脊髄円錐)ので、この高さなら脊髄を損傷しない。体位を整えるときは、背部がベッド面に垂直になり、両肩を結ぶ線と骨盤を結ぶ線がねじれないようにそろえる。
- 1
不正解
図1は仰臥位。背部がベッドに接しているため穿刺そのものができず、脊柱も丸まらないので椎間腔が開かない。
- 2
正解
正しい。図2は膝を抱えて背中を丸めた側臥位(エビ状側臥位)。椎間腔が最も広がる体位である。
- 3
不正解
図3は腹臥位。背部は露出するが脊柱が伸展して椎間腔が狭くなり、針が棘突起に当たってしまう。呼吸も抑制されやすく不適切。
- 4
不正解
図4は側臥位ではあるが、膝を抱えず背中も丸めていないため椎間腔が開かない。「側臥位であればよい」わけではなく、背部を丸めることが要点である。
📚 関連知識
- 穿刺部位の目安はJacoby線(両腸骨稜を結ぶ線)の高さ。
- 頭蓋内圧亢進(うっ血乳頭)があるときは、穿刺により脳ヘルニアを起こす危険があるため原則禁忌。
- 穿刺部位に感染がある場合、出血傾向が強い場合も禁忌または慎重に判断する。
| 項目 | 基準 | 細菌性髄膜炎 | ウイルス性髄膜炎 |
|---|---|---|---|
| 外観 | 水様透明 | 混濁・膿性 | 水様透明 |
| 初圧 | 70〜180mmH2O | 上昇 | 正常〜軽度上昇 |
| 細胞数 | 5/μL以下(単核球) | 著増(多核球優位) | 増加(リンパ球優位) |
| 蛋白 | 15〜45mg/dL | 高値 | 正常〜軽度高値 |
| 糖 | 血糖の約2/3(50〜80mg/dL) | 低下 | ほぼ正常 |
参考: 日本神経学会「細菌性髄膜炎診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について