第115回 看護師国家試験 午前 問107 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。 Aちゃん(1歳9か月)は両親と保育所に通う姉のBちゃん(3歳)と4人で暮らしている。Aちゃんは重症の仮死で出生し、脳性麻痺と診断されている。食事、排泄、更衣は全介助である。食事はきざみ食を摂取しており、浣腸によって2日に1回排便がある。Aちゃんは全身の筋緊張が強く、肘関節と手関節は屈曲し、両下肢が交差し伸展する姿勢が多い。声かけやタッチングで笑顔がみられるが、発語はない。 Aちゃんは月2回の外来受診をしており、受診の際に母親が看護師に「Aは食欲がありますが、時々むせてしまいます。日中は機嫌よく過ごすことが多いのですが、手足を突っ張らせて背を反り返ることがあり、夜眠らないことが時々あります」と話している。 母親は外来看護師に「姉のBは最近、私に甘えて傍を離れません。Aの世話でBに関わる時間が少ないので、短時間でもBとだけじっくり関われるようにしたいです」と話した。父親は会社員で夜の帰りが遅い。父親がBちゃんを保育所へ送り、母親がAちゃんを連れて迎えに行く。両親は、Aちゃんの育児をできるだけ在宅で行いたいと思っており、訪問看護を週1回1時間利用している。 このときの外来看護師の母親への返答で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 訪問看護の時間をお迎えの時間に合わせられないか相談するのが最適である。

母親のニーズははっきりしている。「短時間でもBちゃんとだけじっくり関わりたい」ということである。

今は母親がAちゃんを連れて保育所へ迎えに行っているので、姉妹がいつも一緒になり、2人だけの時間がつくれない。

そこで、すでに使っている週1回1時間の訪問看護をお迎えの時間帯に合わせられれば、その間Aちゃんを訪問看護師に託し、母親は身軽にBちゃんを迎えに行って、帰り道を2人で過ごせる。今ある社会資源を家族のニーズに合わせて調整するという発想である。

きょうだい児支援では「患児のケアを減らす」のではなく、「きょうだいと過ごす時間を確保する仕組みをつくる」ことが鍵になる。新しいサービスを増やす前に、いま使っているものの時間帯・内容を見直せないかを検討する。

  • 1

    「BちゃんにAちゃんの状況を説明しましょう」不正解

    3歳のBちゃんに障害の状況を説明しても十分な理解は難しく、母親が求めている「Bちゃんと2人で過ごす時間」の確保にもつながらない。

  • 2

    「お父さんに保育所のお迎えもしてもらいましょう」不正解

    父親は会社員で夜の帰りが遅く、迎えを担うのは現実的でない。仮にできても、母親とBちゃんが2人で過ごす時間は生まれない。

  • 3

    「Bちゃんを預かるファミリーサポートを利用しましょう」不正解

    Bちゃんを預けると、母親と過ごす時間はかえって減ってしまう。母親の希望と逆方向の提案である。

  • 4

    「訪問看護の時間をBちゃんのお迎えの時間にできるか相談してみましょう」正解

    正しい。訪問看護の時間をお迎えの時間に合わせれば、Aちゃんを看護師に託して母親がBちゃんと2人で過ごす時間をつくれる。

📚 関連知識

障害児のきょうだいは、親の関心が患児に集中することでさまざまな反応を示す。家族全体を看護の対象とみる視点が問われる。

  • 在宅の障害児が使える資源=訪問看護、居宅介護(ホームヘルプ)、児童発達支援、短期入所(レスパイト)、日中一時支援、ファミリー・サポート・センター。
  • サービスは「増やす」だけでなく、時間帯・内容を家族の生活に合わせて調整することが有効。
  • 家族看護では、患児・きょうだい・両親それぞれの負担とニーズを分けて把握する。
きょうだい児にみられる反応と支援
よくみられる反応支援の方向
甘え・赤ちゃん返り(退行)、母親から離れないきょうだいだけの時間を意図的に確保する
「よい子」を演じ、我慢して要求を言わない気持ちを言葉にできる機会をつくり、我慢を当然としない
腹痛・頭痛などの身体症状、登園しぶり生活の変化を把握し、必要なら専門機関へつなぐ
患児への複雑な感情(心配と嫉妬の同居)年齢に応じた説明と、きょうだい会・同じ立場の子との交流

参考: 児童福祉法 障害児支援・家族支援/小児在宅ケアにおける家族支援

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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