第115回 看護師国家試験 午前 問105 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。 Aちゃん(10歳、女児)は両親と3人で暮らしている。3歳の時に気管支喘息と診断された。6歳までは喘息発作で年に1回は入院していたが、8歳から発作を起こすことはなくなり、定期受診が必要なくなった。ダニとハウスダストに感作がある。 Aちゃんの咳嗽は軽快し、全身状態も良好で退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるよう医師が説明した。 看護師のAちゃんに対する退院後の生活についての指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 学校での症状は担任に伝えて共有するのが適切である。
Aちゃんは「体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話しており、運動誘発喘息が疑われる。
学校で起きている症状を担任の教員に伝えれば、運動時の配慮、発作時の対応、教室の環境整備につながる。10歳の学童期は自分の体調を言葉にしてセルフケアを学ぶ時期でもあり、本人が担任に伝えるという行動そのものが自己管理能力を育てる。
なお喘息の長期管理は「症状がないときに続ける」ことが要になる。発作がなくなったからと定期受診と薬を中断したことが今回の入院につながった、という経過も踏まえて指導したい。
- 1
「風邪が流行ったら学校を休みましょう」不正解
風邪が流行るたびに欠席させるのは過度な生活制限で、学習機会と友人関係を損なう。手洗い・うがい、予防接種といった感染予防を指導する。
- 2
「咳が出なくなったら薬はやめましょう」不正解
抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬は症状がなくても続ける長期管理薬である。自己判断での中断は発作再燃の最大の原因になる。
- 3
「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」不正解
適切な長期管理ができていれば運動制限は要らない。準備運動を十分に行う、必要なら運動前に発作治療薬を吸入するなどで体育に参加できる。
- 4
「学校で咳が続くときは担任の先生に伝えましょう」正解
正しい。学校での症状を担任と共有することで、運動時の配慮や発作時の対応が可能になる。
📚 関連知識
喘息の薬は「毎日続ける長期管理薬」と「発作時に使う発作治療薬」の2つに分けて理解する。
- 運動誘発喘息は運動開始5〜10分後に出やすく、冷たく乾いた空気や持久走で誘発されやすい。水泳は比較的起こりにくい。
- 学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)で医師の指示を学校と共有する。
- 環境整備=寝具に掃除機をかける、ぬいぐるみやカーペットを減らす、ペット・室内喫煙を避ける。
| 区分 | 代表的な薬 | 使い方 |
|---|---|---|
| 長期管理薬(コントローラー) | 吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用性β2刺激薬 | 症状がなくても毎日続ける |
| 発作治療薬(リリーバー) | 短時間作用性β2刺激薬〈SABA〉 | 発作時に頓用。運動前の予防的吸入にも用いる |
吸入ステロイド薬の使用後は、口腔カンジダ症と嗄声を防ぐため必ず含嗽する。
参考: 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン〈JPGL〉(日本小児アレルギー学会)/学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について