第114回 看護師国家試験 午後 問82 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

門脈系の血管はどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・5

💡 解説

✅ 脾静脈と下腸間膜静脈は門脈に流れ込む門脈系の血管である。

門脈は、消化管(食道の下部から直腸の上部まで)・脾臓・膵臓・胆嚢からの血液を集めて肝臓へ運ぶ静脈である。栄養を多く含む血液をまず肝臓に通し、代謝と解毒を受けてから全身へ送るという配置になっている。消化管の毛細血管と肝臓の類洞と、毛細血管を2回通るのが門脈系の特徴である。

門脈は上腸間膜静脈と脾静脈が膵頭部の後ろで合流してできる。下腸間膜静脈は脾静脈側に注ぐので、これも門脈系である。

  • 1

    肝静脈不正解

    肝静脈は肝臓を通り終えた血液を集めて下大静脈に注ぐ血管である。門脈が肝臓に「入る」血管であるのに対し、肝静脈は「出る」血管で、体循環(大静脈系)に属する。

  • 2

    脾静脈正解

    脾静脈は脾臓からの血液を集め、上腸間膜静脈と合流して門脈をつくる主要な枝である。門脈の圧が上がると脾臓に血液がうっ滞して脾腫を起こす。

  • 3

    食道静脈不正解

    食道の静脈は、門脈系と大静脈系がつながる吻合の場所であって、門脈系の血管そのものではない。門脈の圧が上がるとここに血液が流れ込み、食道静脈瘤ができる。

  • 4

    内腸骨静脈不正解

    内腸骨静脈は骨盤内の臓器からの血液を集めて下大静脈へ向かう大静脈系の血管である。ただし直腸は、門脈系とつながる吻合の場になっている。

  • 5

    下腸間膜静脈正解

    下腸間膜静脈は下行結腸・S状結腸・直腸上部からの血液を集め、脾静脈側に注いで門脈に至る門脈系の血管である。

📚 これとセットで理解しよう

肝硬変などで門脈の圧が上がると、血液は肝臓を迂回して大静脈系へ流れようとする。その通り道が門脈大循環吻合で、部位ごとに特徴的な症状が出る。

  • 門脈圧亢進症の四徴=食道静脈瘤・脾腫・腹水・腹壁静脈怒張。進むと肝性脳症も加わる
  • 門脈の血液は酸素は少ないが栄養に富み、肝臓に流れる血液の約7割を占める(残りの約3割が肝動脈)
門脈大循環吻合と現れる所見
部位吻合する血管現れる所見
食道下部・胃噴門部左胃静脈 ↔ 奇静脈系食道・胃静脈瘤(破裂で大量吐血)
臍周囲の腹壁臍傍静脈 ↔ 腹壁の静脈腹壁静脈の怒張(メドゥーサの頭)
直腸下部上直腸静脈 ↔ 中・下直腸静脈直腸静脈瘤・痔核
後腹膜腸間膜静脈 ↔ 後腹膜静脈後腹膜側副血行路

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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