第114回 看護師国家試験 午後 問81 解説
📝 問題
第2〜第4腰髄の障害の有無を把握するために確認するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 膝蓋腱反射の中枢は第2〜第4腰髄にあり、この高さの障害の評価に用いる。
深部腱反射は、腱を叩いて筋が伸ばされた刺激が脊髄の決まった高さに入り、そこから運動神経を通って筋が収縮する反応である。反射ごとに関わる髄節が決まっているので、どの反射が障害されているかで脊髄のどの高さが傷んでいるかを推定できる。
膝蓋腱反射は大腿四頭筋の腱を叩いて起こる反射で、その中枢は第2〜第4腰髄にある。だから第2〜第4腰髄の障害を調べるには膝蓋腱反射をみる。
- 1
輻輳反射不正解
輻輳反射は、近くのものを見るときに両眼が内側に寄り、同時に縮瞳する反応で、中枢は中脳にある。脳幹の機能をみる所見である。
- 2
腹壁反射不正解
腹壁反射は、腹部の皮膚を外側から内側へこすると同じ側の腹筋が縮む表在反射で、中枢は第8〜第12胸髄あたりにある。腰髄の高さの評価には使えない。
- 3
膝蓋腱反射正解
膝蓋腱を叩くと大腿四頭筋が縮んで下腿が伸びる反射で、中枢は第2〜第4腰髄にある。設問の髄節と一致する。
- 4
Trousseau〈トルソー〉徴候不正解
トルソー徴候は、上腕をマンシェットで数分間駆血すると手指が硬直する所見で、低カルシウム血症によるテタニーを示す。脊髄の評価とは関係しない。
- 5
Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候不正解
ブルンベルグ徴候(反跳痛)は、腹部をゆっくり押してから急に手を離すと強い痛みが走る所見で、腹膜炎の存在を示す。
📚 一緒に確認しよう
反射が亢進していれば錐体路(上位運動ニューロン)の障害、減弱・消失していれば末梢神経や後根など下位の障害を示す。
- 反射が出にくいときはイェンドラシック手技(両手の指を引っかけて左右に引っ張ってもらう)で強めて確認する
- バビンスキー徴候(足の裏の外側をこすると母趾が反り返る)は錐体路障害を示す病的反射。ただし乳児では正常でもみられる
| 反射 | 叩く部位 | 反射中枢 |
|---|---|---|
| 上腕二頭筋反射 | 肘窩の上腕二頭筋腱 | C5〜C6 |
| 腕橈骨筋反射 | 橈骨遠位 | C5〜C6 |
| 上腕三頭筋反射 | 肘頭上方の三頭筋腱 | C7〜C8 |
| 膝蓋腱反射 | 膝蓋腱 | L2〜L4 |
| アキレス腱反射 | アキレス腱 | S1〜S2 |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について