第114回 看護師国家試験 午後 問79 解説
📝 問題
狭窄による血流低下で二次性高血圧〈secondary hypertension〉を起こす血管はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 腎動脈の狭窄はレニンの分泌を増やし、腎血管性高血圧を起こす。
特定の原因があって起こる高血圧を二次性高血圧という。その代表が、腎動脈の狭窄による腎血管性高血圧である。
血圧が上がる流れは次のとおりである。 ・腎動脈が狭くなり、腎臓に流れる血液が減る ・腎臓は「全身の血圧が下がった」と受け取ってレニンを分泌する ・レニンをきっかけにアンジオテンシンⅡがつくられ、強い血管収縮が起こる ・副腎皮質からアルドステロンが出て、ナトリウムと水の再吸収が増える ・その結果、血圧が上がる
- 1
冠動脈不正解
冠動脈が狭くなると心筋への酸素が足りなくなり、狭心症や心筋梗塞を起こす。全身の血圧を上げるしくみはない。
- 2
肝動脈不正解
肝臓に流れる血液の多くは門脈が担い、肝動脈が狭くなっても全身の血圧を上げるしくみはない。
- 3
頸動脈不正解
頸動脈の狭窄は脳への血流を減らし、一過性脳虚血発作や脳梗塞の原因になる。全身の高血圧を起こすものではない。
- 4
腎動脈正解
腎動脈が狭くなると、腎血流の低下を感じ取った腎臓がレニンを分泌し、血管収縮とナトリウム・水の貯留が起こって血圧が上がる。これが腎血管性高血圧である。
- 5
脳動脈不正解
脳動脈の狭窄は脳虚血や脳梗塞を起こす。頭蓋内圧が高まったときに血圧が上がることはあるが、狭窄による血流低下が高血圧を起こすわけではない。
📚 国試でよく狙われるところ
高血圧の約9割は原因のはっきりしない本態性高血圧である。若い人の発症、急な発症、薬が効きにくい高血圧では二次性高血圧を疑う。
- 腎血管性高血圧を疑う手がかり=おなかで血管雑音が聴こえる、高齢者では動脈硬化が背景にあることが多い
| 原因 | 特徴的な所見 |
|---|---|
| 腎実質性高血圧(慢性糸球体腎炎など) | 蛋白尿・血尿、腎機能低下 |
| 腎血管性高血圧(腎動脈狭窄) | 腹部血管雑音、レニン高値、若年女性または高齢の動脈硬化 |
| 原発性アルドステロン症 | 低カリウム血症、レニン低値・アルドステロン高値 |
| 褐色細胞腫 | 発作性の高血圧、頭痛・動悸・発汗 |
| Cushing症候群 | 中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条、高血糖 |
| 甲状腺機能亢進症 | 頻脈、体重減少、脈圧の増大 |
| 睡眠時無呼吸症候群 | いびき、日中の眠気、早朝高血圧 |
| 大動脈縮窄症 | 上肢の高血圧と下肢の血圧低下 |
参考: 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について