第114回 看護師国家試験 午後 問74 解説
📝 問題
災害時のこころのケアで正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 災害派遣精神医療チーム(DPAT)は、自然災害だけでなく航空機事故などの集団災害でも活動する。
災害派遣精神医療チーム(DPAT)は、自然災害だけでなく、航空機事故・列車事故・犯罪事件などの集団災害でも被災地に入り、精神科医療と精神保健の活動を行うチームである。
都道府県や指定都市が組織し、精神科医師・看護師・業務調整員を含む数名で編成される。先遣隊は発災後おおむね48時間以内に活動を始め、その後は交代しながら中長期にわたって活動する。
- 1
こころのケアは発災直後から数週間で終了する。不正解
こころのケアは数週間では終わらない。生活再建の見通しが立たない時期に抑うつやアルコールの問題が増え、心的外傷後ストレス障害は数か月後に表れることもあるため、支援は年単位で続く。
- 2
災害派遣精神医療チーム(DPAT)は航空機事故が発生したときにも活動する。正解
災害派遣精神医療チームは自然災害に限らず、航空機事故・列車事故・犯罪事件などの集団災害でも派遣される。被災地の精神科医療の支援、被災者と支援者への精神保健活動、もともと通院していた患者の医療の継続を担う。
- 3
こころのケアチームを組織化する目的は福祉避難所で医療活動を行うためである。不正解
福祉避難所は、高齢者・障害者・妊産婦など一般の避難所では生活が難しい人のために設ける避難所である。こころのケアチームは、そこで医療を行うために組織されるのではない。
- 4
サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉は発災1か月後に精神科医が行う。不正解
サイコロジカルファーストエイド(心理的応急処置)は、専門の訓練を受けていない人でも災害直後から行える支援の枠組みである。「1か月後に」「精神科医が行う」はいずれも誤りである。
📚 一緒に確認しよう
災害時に派遣されるチームは、役割も活動する時期も違う。名前が似ているので表で整理する。
- 被災者の心の動き=茫然自失期→ハネムーン期→幻滅期→再建期。支援が減る幻滅期に問題が表面化しやすい
- 心理的応急処置の3原則=見る・聞く・つなぐ。無理に体験を語らせることはかえって害になるため行わない
| チーム | 主な役割 | 活動の時期 |
|---|---|---|
| DMAT(災害派遣医療チーム) | 急性期の救命医療・広域医療搬送・病院支援 | 発災後おおむね48時間以内から |
| DPAT(災害派遣精神医療チーム) | 精神科医療の提供と精神保健活動 | 先遣隊は48時間以内。以降中長期 |
| JMAT(日本医師会災害医療チーム) | 避難所・救護所での医療、地域医療の支援 | 急性期以降 |
| DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム) | 被災自治体の保健医療調整の支援(マネジメント) | 急性期〜 |
| DWAT・DCAT(災害派遣福祉チーム) | 避難所での要配慮者の福祉支援 | 急性期以降 |
参考: 厚生労働省 DPAT事務局「災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領」/WHO「心理的応急処置(PFA)フィールド・ガイド」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について