第114回 看護師国家試験 午後 問47 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

乳房温存療法で放射線治療を受ける乳癌〈breast cancer〉患者への説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 毎回同じ範囲に正確に当てるため、皮膚に位置合わせの印をつける。

乳房温存療法は、乳房部分切除術に術後の放射線照射を組み合わせ、残した乳房のなかの再発を減らす治療である。照射は数週間かけて何回にも分けるので、毎回まったく同じ範囲に当てる必要がある。そのために皮膚へ位置合わせの印をつけ、患者には印を消さないよう、こすり洗いや強く拭くことを避けてもらう。

もう一つの軸は、放射線の影響は当てた場所にだけ出るということ。ここを押さえると、ほかの選択肢が外れる理由もそろって説明できる。

  • 1

    「頭髪の脱毛が生じます」不正解

    放射線による脱毛は当てた場所だけに起こるので、乳房への照射で頭髪は抜けない。全身の脱毛が問題になるのは抗癌薬による治療である。

  • 2

    「嚥下障害が予測されます」不正解

    飲み込みにくさは、のどや食道に放射線を当てたときに起こる。乳房への照射で問題になるのは皮膚炎で、まれに肺の炎症が加わる。

  • 3

    「皮膚にマーキングを行います」正解

    治療計画で決めた照射範囲を毎回そのまま再現するため、皮膚に線や点で印をつける。消えかけても自分で書き足さず、スタッフに伝えてもらう。

  • 4

    「同居家族への被曝に注意してください」不正解

    体の外から当てる照射では、放射線は体を通り抜けて残らない。患者から周りへ放射線が出ることはなく、家族や子どもとの接触を制限する必要はない。

📚 国試でよく狙われるところ

放射線治療の有害事象は、治療中から数週間の急性期と、数か月から数年後の晩期に分けて問われる。

  • 前立腺癌などで放射線源を体内に入れる治療や、放射性ヨウ素を飲む治療では、一定期間の接触制限が必要になる
  • 皮膚炎の予防=こすらない、締めつけない下着を選ぶ、ぬるめの湯で洗う、照射部位を日光に当てない
乳房照射でみられる主な有害事象
時期症状
急性期放射線皮膚炎(発赤・掻痒・乾性落屑、進むと湿性落屑)、倦怠感
晩期乳房の硬化・萎縮・変形、色素沈着、放射線肺臓炎、まれに肋骨骨折・上肢リンパ浮腫の増悪

参考: 日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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