第114回 看護師国家試験 午後 問25 解説
📝 問題
創傷の治癒過程でマクロファージによる貪食が行われるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ マクロファージが貪食を担うのは炎症期。
創傷の治癒は ①出血・凝固期 → ②炎症期 → ③増殖期 → ④成熟期 の順に進む。
受傷した直後は血小板とフィブリンで止血が起こる。続く炎症期(受傷直後〜3日ごろ)では、まず好中球が集まって細菌を処理し、受傷後2〜3日以降はマクロファージが主役になって、壊死した組織や異物、細菌を貪食する。
マクロファージは成長因子も出して、線維芽細胞の増殖と血管の新生を促す。掃除役であると同時に、次の増殖期へ橋渡しをする司令塔でもある。
- 1
出血・凝固期不正解
血小板が集まりフィブリンの網ができて止血する時期。貪食を担う細胞はまだ十分に集まっていない。
- 2
炎症期正解
正しい。好中球に続いてマクロファージが集まり、壊死組織や細菌を貪食して成長因子を出す。
- 3
増殖期不正解
線維芽細胞がコラーゲンをつくり、毛細血管が新生して肉芽ができ、創のふちから表皮が伸びる時期。
- 4
成熟期不正解
数週間から数か月かけてコラーゲンが組み直され、瘢痕が白く平らになって創の強度が増す時期。
📚 一緒に確認しよう
治癒を遅らせる要因と、創の環境の整えかたも問われる。
- 治癒を遅らせるのは低栄養(たんぱく質・亜鉛・ビタミンC)、糖尿病、ステロイド・抗癌薬、喫煙、感染、循環障害、乾燥
- 創の表面は適度に湿った状態に保つほうが治りが早い
- 一次治癒=創のふちを合わせて縫った治癒、二次治癒=開いた創が肉芽で埋まる治癒
| 時期 | 目安 | 主役の細胞 | 起きること |
|---|---|---|---|
| 出血・凝固期 | 受傷直後〜数時間 | 血小板 | 止血、フィブリン網の形成 |
| 炎症期 | 〜3日(長くて1週間) | 好中球→マクロファージ | 発赤・腫脹・熱感・疼痛、貪食、成長因子の放出 |
| 増殖期 | 3日〜2週間 | 線維芽細胞・血管内皮細胞 | 肉芽形成、血管新生、創収縮、上皮化 |
| 成熟(リモデリング)期 | 2週間〜数か月以上 | 線維芽細胞 | コラーゲンの再構築、瘢痕の成熟 |
参考: 褥瘡予防・管理ガイドライン(日本褥瘡学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について