第114回 看護師国家試験 午前 問90 解説
📝 問題
ドパミン受容体が遮断されることで出現する症状はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ ドパミン受容体が遮断されると錐体外路症状が現れ、**筋強剛**とアカシジアがその代表である。
抗精神病薬は、脳のドパミン受容体をふさぐ薬。ふさぐ場所によって、よい効果と副作用に分かれる。
・中脳辺縁系でふさがると、幻覚や妄想(陽性症状)がよくなる ・運動を調節している黒質線条体系までふさがると、錐体外路症状が出てしまう
狙った場所だけをふさぐことはできないので、効果と副作用は表と裏の関係になる。
- 1
幻聴不正解
幻聴はドパミンが多すぎて起こる陽性症状。受容体をふさげば「出る」のではなく「よくなる」。
- 2
口渇不正解
口渇は抗コリン作用(別の受容体をふさぐこと)による副作用で、便秘・尿が出ない・目のかすみとセットで現れる。ドパミンの遮断とは仕組みが違う。
- 3
妄想不正解
妄想も幻聴と同じく陽性症状で、受容体をふさぐとよくなる。
- 4
筋強剛正解
正しい。黒質線条体系がふさがれると、筋のこわばり(筋強剛)、動きが少ない、じっとしているときのふるえ、小刻み歩行、表情が乏しくなるといった症状が出る。
- 5
アカシジア正解
正しい。アカシジアは「じっとしていられない」「足がむずむずする」という落ち着かなさと、足踏みや歩き回りを伴う。不安の悪化と間違われやすい。
📚 国試でよく狙われるところ
悪性症候群(高熱・強い筋のこわばり・意識障害・筋の酵素の上昇)は命に関わる。薬を増やしたときや変えたとき、脱水のときに起こりやすく、すぐに原因の薬を止めて全身を管理する。
- 漏斗下垂体系がふさがれるとプロラクチンが上がり、月経の異常や乳汁の分泌が起こる。
| 症状 | 出やすい時期 | 特徴 | 主な対応 |
|---|---|---|---|
| 急性ジストニア | 開始から数時間〜数日 | 眼球が上を向く、首がねじれる、舌が出る | 抗コリン薬の注射で速やかによくなる |
| アカシジア | 数日〜数週 | じっとしていられない。足のむずむず感と足踏み・歩き回り | 減量や薬の変更 |
| 薬剤性パーキンソニズム | 数週〜数か月 | 筋のこわばり、動きが少ない、ふるえ、小刻み歩行、表情が乏しい | 減量や薬の変更 |
| 遅発性ジスキネジア | 数か月〜数年 | 口をもぐもぐ動かす、舌が出る。治りにくい | 予防が大切。原因の薬の中止・変更 |
参考: 統合失調症薬物治療ガイドライン(日本神経精神薬理学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について