第114回 看護師国家試験 午前 問18 解説
📝 問題
抗癌薬の副作用(有害事象)で骨髄抑制によるものはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 骨髄抑制によって起こるのは血球(白血球・赤血球・血小板)の減少である。
抗癌薬は分裂の盛んな細胞をまとめて攻撃するため、癌細胞だけでなく骨髄・毛根・消化管の粘膜も傷つく。
このうち骨髄が障害されて血液を作れなくなる状態が骨髄抑制で、その結果が血球の減少である。
抗がん剤の影響で血球は寿命の短い順に減る。 ・好中球=投与後7〜14日で最低になり、感染しやすくなる ・血小板=出血しやすくなる ・赤血球=寿命が長いので最後に減り、貧血になる
好中球が500/μL未満で発熱したときは、命に関わる感染として直ちに抗菌薬を始める。
- 1
嘔吐不正解
嘔吐は、抗癌薬が脳の嘔吐に関わる部位や消化管を刺激して起こる。骨髄とは関係しない。
- 2
脱毛不正解
脱毛は毛根の細胞が傷ついて起こる。分裂の速い細胞への障害という点は同じだが、血液を作る働きの低下ではない。ふつうは治療が終われば戻る。
- 3
血球減少正解
正しい。白血球(好中球)減少→感染、血小板減少→出血、赤血球減少→貧血が起こる。
- 4
神経障害不正解
神経障害は末梢の神経が傷ついて起こり、手足のしびれや便秘として現れる。骨髄とは別の副作用。
📚 これとセットで理解しよう
抗癌薬の副作用は「細胞が入れ替わる速い組織はどこか」から考えると整理しやすい。骨髄・毛根・消化管粘膜がそれにあたる。
- 発熱性好中球減少症=好中球500/μL未満+腋窩温37.5℃以上。緊急事態として直ちに抗菌薬を始める。
- 次の投与の前には必ず血球数を確認する。
| 減る血球 | 起こる症状 | 看護のポイント |
|---|---|---|
| 好中球 | 感染(発熱) | 手指衛生、口腔ケア、生ものを避ける、人混みを避ける |
| 血小板 | 出血傾向(点状出血、鼻出血、歯肉出血) | 採血後の圧迫、軟らかい歯ブラシ、電気カミソリ、転倒予防 |
| 赤血球 | 貧血(だるさ、息切れ、動悸、めまい) | 急に起き上がらない、活動と休息の調整 |
参考: 日本癌治療学会「制吐薬適正使用ガイドライン」/日本臨床腫瘍学会「発熱性好中球減少症診療ガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について