第114回 看護師国家試験 午前 問14 解説
📝 問題
閉塞性黄疸〈obstructive jaundice〉の患者にみられる便の色はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 閉塞性黄疸では胆汁が腸へ流れないため、便は灰白色になる。
便が茶色いのは、胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によってステルコビリンに変えられるため。
閉塞性黄疸では胆管が詰まって胆汁が腸へ流れないので、便に色がつかず灰白色になる。
行き場をなくした胆汁は血液へ逆流し、次の症状が出る。 ・皮膚や白目が黄色くなる ・尿が濃い褐色になる ・胆汁酸が皮膚にたまり強いかゆみが出る
灰白色便・褐色尿・黄疸・かゆみの4つがそろえば閉塞性黄疸を強く疑う。原因は総胆管結石、膵頭部癌、胆管癌など。
- 1
赤不正解
赤い血が混じる便は大腸など下部の消化管からの出血。痔核、大腸憩室出血、大腸癌などでみられる。
- 2
黄不正解
黄色〜黄褐色は正常な便の色で、胆汁が腸へ流れている証拠。
- 3
黒不正解
黒いタール便は胃や十二指腸など上部の消化管からの出血。鉄剤を飲んでいても黒くなるので内服薬の確認がいる。
- 4
灰白正解
正しい。胆汁が腸に届かず便に色がつかないため灰白色になる。白色便・粘土色便ともいう。
📚 混同しやすいので注意
黄疸は「どこで詰まっているか」で3つに分かれ、上がるビリルビンの種類が変わる。
- 黄疸は血液中の総ビリルビンが2〜3mg/dLを超えると白目で気づかれる。
- 灰白色便に発熱と右の肋骨の下の痛みが加わると急性胆管炎を疑い、緊急で胆汁を外へ出す処置が必要になる。
- 脂に溶けるビタミン(A・D・E・K)の吸収が落ちる。ビタミンKが不足すると血が止まりにくくなる。
| 分類 | 上昇するビリルビン | 代表疾患 | 便の色 |
|---|---|---|---|
| 溶血性(肝前性) | 間接ビリルビン | 溶血性貧血、新生児黄疸 | 濃くなる |
| 肝細胞性(肝性) | 両方 | 肝炎、肝硬変 | やや淡い |
| 閉塞性(肝後性) | 直接ビリルビン | 総胆管結石、膵頭部癌 | 灰白色 |
参考: 日本消化器病学会・日本肝臓学会関連ガイドライン
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について