第113回 看護師国家試験 午後 問67 解説
📝 問題
Aさん(78歳、女性、要支援1)は1人で暮らしており、認知機能や嚥下機能の低下はない。訪問看護師は、内科と整形外科から朝2種類、夕3種類の合計5種類の内服薬が処方されていることを確認し、夕方に飲む薬だけが減っていないことに気付いた。 訪問看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ まず、どの薬を何時に内服しているのかを聞き、実際の服薬状況を確認する。
Aさんは認知機能も嚥下機能も保たれていて、夕方の薬だけが減っていない。飲み忘れなのか、自己判断でやめているのか、薬を取り違えているのかで、次にとる手立ては変わる。まずは「どの薬を何時に飲んでいるか」を本人に聞き、実際の服薬状況をアセスメントする。
看護過程では、手を打つ前に情報を集めて評価する。原因が分からないうちにゼリーや介助をすすめても的が外れるうえ、嚥下機能に問題のない人にゼリーは要らない。
アセスメントとは
情報を集めて、いま何が起きているかを見立てること。看護過程の最初の段階で、ここを飛ばすと的の外れた手立てになりやすい。
- 1
どの薬を何時に内服しているのかを聞く。正解
服薬状況を具体的に確認することで飲み忘れや自己中断など原因をアセスメントできる。
- 2
服薬用のゼリーを用いて内服することを勧める。不正解
嚥下機能の低下はなく、原因確認前にゼリーの使用を勧めるのは適切でない。
- 3
1日に5種類の薬を内服する必要があることを説明する。不正解
原因を把握せず必要性を一方的に説明しても、飲めていない理由の解決にならない。
- 4
介護予防訪問介護を利用して服薬の介助を依頼することを勧める。不正解
認知機能は保たれており、まず本人の状況を確認する前に介助を導入するのは早計である。
📚 ここも一緒におさえておこう
アドヒアランスは、患者が納得して治療方針の決定に参加し、自ら実行することをいう。言われたとおりに飲めたかをみるコンプライアンスとは違い、飲めない理由を患者と一緒に探すのが前提になる。
- 高齢者では6種類以上の内服で薬の有害事象が増えやすい。薬が多すぎて有害事象や飲み間違いにつながっている状態をポリファーマシーという
- 支援の工夫=一包化・お薬カレンダー・服薬時点の統一・剤形の変更・訪問薬剤管理指導
- 残薬の確認は訪問時の基本。減っていない薬だけでなく、余っている薬や重複処方も確認する
- 夕方の薬だけが減っていない場合は、就寝時間、夕食の有無、外出など生活リズムとの関係も確認する
参考: 服薬アドヒアランスの支援(看護アセスメント)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について