第113回 看護師国家試験 午後 問25 解説
📝 問題
緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 緑内障患者への投与が禁忌なのはアトロピンである。
アトロピンは抗コリン薬(副交感神経遮断薬)で、瞳孔を開く散瞳作用をもつ。散瞳により隅角が狭くなると房水の流出が妨げられ、閉塞隅角緑内障では急に眼圧が上がる(緑内障発作)おそれがあるため禁忌である。
コデイン・アスピリン・ジゴキシン・フェニトインに、この散瞳作用はない。抗コリン作用は一部の抗ヒスタミン薬や三環系抗うつ薬にもあり、同じく閉塞隅角緑内障で注意・禁忌となる。
隅角とは
角膜と虹彩の間にある、目の中を満たす水(房水)の出口。ここが狭くなると水が流れず、眼圧が上がる。
抗コリン薬とは
アセチルコリンのはたらきを妨げて、副交感神経の作用を抑える薬。瞳孔が開く、口が渇く、尿が出にくくなるといった作用をあわせもつ。
- 1
コデイン不正解
コデインは鎮咳・鎮痛薬で、緑内障に対する散瞳を介した禁忌ではない。
- 2
アスピリン不正解
アスピリンは抗血小板・解熱鎮痛薬で、緑内障禁忌の代表ではない。
- 3
アトロピン正解
アトロピンは抗コリン作用で散瞳を起こし、閉塞隅角緑内障で眼圧上昇を招くため禁忌である。
- 4
ジゴキシン不正解
ジゴキシンは強心配糖体で、緑内障禁忌の代表ではない。
- 5
フェニトイン不正解
フェニトインは抗てんかん薬で、緑内障に対する散瞳を介した禁忌ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
抗コリン薬は、どの患者に禁忌になるかが問われる。緑内障と排尿障害を対にして覚えよう。
- 緑内障は開放隅角と閉塞隅角に大別され、抗コリン薬が禁忌となるのは主に閉塞隅角緑内障
- 急性緑内障発作では眼痛・頭痛・悪心嘔吐・視力低下・充血がみられ、緊急に眼圧を下げる必要がある
- 抗コリン薬の主な副作用は口渇・便秘・尿閉・散瞳・頻脈である。アトロピンは前立腺肥大症などによる排尿障害がある患者でも、尿閉を悪化させるため禁忌となる
参考: 標準的な薬理学(抗コリン薬と閉塞隅角緑内障)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について